地球温暖化の原因は、二酸化炭素(CO2)の排出量の増加が原因だとされています。
僕は、この説に対しては懐疑的なのですが、とりあえず、二酸化炭素の排出量の増加と地球温暖化が関係あるという前提で、この記事を書いています。
地球温暖化を食い止めるためには、二酸化炭素の排出量を抑制する必要があると言われますが、そんなことをしなくても、二酸化炭素の排出量は、そのうち減っていくはずなんですよね。
二酸化炭素の排出量が増える主要因は石油の消費
二酸化炭素は何かを燃やすと発生しますよね。
現代人が特にたくさん燃やしているものと言えば石油です。だから、石油の消費量を減らせば、二酸化炭素の排出量を減らすことに大きく寄与すると考えられます。でも、メディアにたびたび登場し、環境問題を鋭く斬っている武田邦彦さんは、著書の「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」で、地球温暖化は自動的に解消すると述べています。
その理由は、石油はいずれ枯渇するので、燃やすべきものが無くなり、二酸化炭素の排出量が減るということです。まさにその通りですね。石油が無尽蔵にあれば、燃やし続けることで、二酸化炭素の排出量は、どんどん増えていきます。でも、石油には限りがあるので、燃やし尽くしてしまった段階で、二酸化炭素の排出量は減少するのです。
地球温暖化の主な要因が二酸化炭素であるとするならば、二酸化炭素を出す原料は石油である。従って、石油が枯渇すれば地球温暖化は自動的に解消する。
繰り返しになるが、その意味で、石油の枯渇と地球温暖化はどちらも環境問題として重要であるが、双方が同時に起こることはない。(209ページ)
現在、石油は工業製品だけでなく、農業にも多く使われています。つまり、石油は人間の食を支えている重要な資源なのです。
だから、石油に代わる代替資源が見つかるまでは、石油を大切に使う必要がありますが、しかし、石油を使い続けるということは、二酸化炭素の排出量が増えていくということになります。現代人の食を維持すると二酸化炭素の排出量は増えます。反対に石油を使い切れば二酸化炭素の排出量は減りますが、現代人が必要とする食糧を造りだすこともできなくなります。
そういう意味で、両者は同時に起こることはないんですね。
森林は二酸化炭素を吸収するのか?
二酸化炭素の排出量の増加と石油の枯渇は同時には起こらないと述べました。
そうすると、石油の枯渇を防ぎ現代人の食を維持しながら、二酸化炭素の排出量も減らすということはできないのでしょうか?仮に二酸化炭素の排出量を減らせなかったとしても、それを吸収して排出していないのと同じ状態を作りだすことは無理なのでしょうか?
これに関しては、森林を育てるということを思いつく人が多いでしょう。
植物は二酸化炭素を吸収して酸素を出すとされているので、人間が出した二酸化炭素を植物に吸収させれば、収支をゼロにできるじゃないかと思いますよね。僕も昔はそう思っていたのですが、そんなに人間の都合の良いようにはなっていません。
森林は、樹木が生まれて若い時には体が大きくなるので二酸化炭素を吸収して体をつくる。しかし、それは成長期のことで、樹木も成熟すればあまり大きくならないから二酸化炭素も吸収しなくなる。
そして、やがて老木になれば、段々と枯れてゆく。最後には木は枯れて倒れて微生物に分解され、空気中の酸素と結合して再び二酸化炭素になる。
従って、樹木の一生では、生まれてから成長期までは二酸化炭素を吸収して自分の体を大きくしているが、成熟すると二酸化炭素をほとんど吸収しなくなり、老齢になって死に至ると、今度は二酸化炭素を放出する。(141~142ページ)
つまり、植物の一生で吸収する二酸化炭素の量と排出する二酸化炭素の量は同じということです。だから、若木をたくさん植えて二酸化炭素を吸収させたとしても、それは、二酸化炭素の排出を時間的にずらしているだけなんですね。これでは、排出量を減らしたとは言えないでしょう。
こういったところにも正負の法則が働いているんですね。
そもそも地球温暖化は悪なのか?
テレビや新聞なんかの報道を見ると、地球温暖化が深刻な問題のように言われています。
でも、これって本当なのでしょうか?
ゲリラ豪雨が発生すると地球温暖化の影響だとか、大雪が降ると地球温暖化の原因だとか、台風の発生時期が遅れていると地球温暖化の原因だとか言われますが、それが果たして深刻な環境問題なのか、僕は疑問に思います。ゲリラ豪雨も大雪も、地球が自分で均衡を保つために発生させているだけのような気がするんですよね。
それと、そもそも地球が温暖化することが悪と考える方がおかしいのではないでしょうか?
人間だけでなく生物というのは、その多くが、温暖な気候の方が過ごしやすいわけですから、むしろ、温暖な気候を保ってくれる方がありがたいことなのです。
武田さんによると、生物が大いに繁栄した古生代は、平均気温が35度もあったそうです、現代の地球の平均気温が15度程度なので、20度以上も高かったことになります。その後、氷河時代が訪れると、多くの生物が絶滅し、化石から推定すると95%の生物が死滅したということです。しかも、この時の平均気温は22度で、現代のそれよりも7度も高かったとのこと。
生物にとっては、寒冷化の方がずっと恐ろしいことなのです。
また、温暖な気候の方が、作物もよく育つのですから、地球が温暖化する方が人間にとってはありがたいことと言えます。
何もしなくても大丈夫
二酸化炭素の排出量が地球温暖化の原因で、それが、人類に悪い影響を与えるのなら、我々はどうすればいいのでしょうか?
もう、ここまで読んだ方ならわかりますよね。
答えは何もしないということです。石油は遅かれ早かれ使い続ければ枯渇します。そして、枯渇した時に人類が排出する二酸化炭素は減ります。そうすれば、地球温暖化も止まるのですから、対策をする必要なんてありません。
それよりも、石油に依存した生活を送っている現代人にとっては、それがなくなることの方が重要な問題です。だから、僕たちは、限られた資源を無駄に使わない努力をする必要があります。
武田さんは、最後に以下のように述べています。この考え方には僕も賛成です。
現在の環境問題の議論の多くは、残念ながらウソをついて人の隙を狙うことによって成功するということを認める社会を作ることに役立っている。(中略)
もっと心豊かで平和であり、真面目に着実に働く人が尊敬される牧歌的でシンプルな社会をもう一度つくり直すということに中心をおいた方が余程、環境問題に向き合うことになると思う。(220ページ)

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)
- 作者:武田 邦彦
- メディア: ペーパーバック