ウェブ1丁目図書館

読書で得ること感じること。ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。

地球に棲む限り人は必ず正負の法則に従う

地球とはなんとも不思議な星です。

昼があれば夜もありますし、日向があれば蔭もあります。このように真逆のものが同居しているのですから何とも不思議に思います。北と南、男と女、探していけば地球上には真逆のものがたくさんあります。

この真逆のものが同居している状態というのは、「正」と「負」が必ず存在している状態といえます。だから、地球は正負の法則が働いている星ということができるんですね。そのような法則を解説しているのが、三輪明宏さんの著書「ああ正負の法則」です。

幸福が持続することはないし、いつまでも不幸ということもあり得ない

人が地球に棲んでいる限り、必ず正負の法則に従って生きていくことになります。良いことがあれば必ず悪いことがありますし、悪いことがあれば必ず良いことがあります。

だから、幸福が訪れれば必ず不幸も訪れます。

三輪さんは永久不変のものはこの世にないと述べています。そして、幸福というのは陽炎のようにはかなく、すぐに消えてなくなるとも述べています。

疲れ果てて寝床に大の字になった瞬間「ああ、寝るより楽はなかりけり」と、しみじみと幸福感を味わうとき。(中略)長い間、欲しかったものを手に入れた瞬間等々。幸福だなあと思うのはその時だけです。その感覚はせいぜい五分か十分後には薄れていき、やがて麻痺してしまい、それが当たり前になり、何も感じなくなってしまうものなのです。(22ページ)

こういうことってよくありますよね。あれだけ欲しいと思っていたものが一度手に入ってしまうと、それが当たり前のことのように思えて感動がなくなったことを経験している人は多いはずです。だから、欲しいものを次から次に手に入れていけば幸福感は薄れていき、やがて、幸せを感じなくなるのです。

ぜいたくができる状況になることはとても幸せなことに思えますが、そういう状況になった時には、不感症になってしまうのですから、人生とはよくできたものですね。

でも、三輪さんは、いつでもすぐに簡単に幸福感を味わう方法があると述べています。それは、何でもよいから感謝することです。見えること、聞こえること、話せること、こういった当たり前のことでも、それを失った人からしたら羨ましいことです。そんな当たり前のことを考えても幸福感を味わえないという人は、病気になったり、ホームレスになったりすれば、当たり前がどれだけ幸せなことかわかります。試しに数日間断食をして、その後で、水を飲んでみると、きっとそのありがたみがわかるはずです。

反対に今が不幸だと思っている人も、将来、きっと幸福が訪れます。人間は、必ず平等にツケを払わなければならないからです。すなわち、人生の収支は必ずバランスするということです。先にツケを払った人は後で必ず良いことがあります。負がすべてマイナスの要因ではないのです。

マスコミやマスメディアの不景気は自ら招いたもの

この本の最初の方は、何か抽象的な表現が多かったり、思想的でとっつきにくかったりという部分が多いのですが、後半になると、具体的な事例も紹介されており、なるほどとうなづける内容がいくつかあります。

その中にマスコミ不景気について述べている箇所がありました。

昨今の不景気は、災害や消費税率の引き上げなどが原因となっている部分はありますが、それに拍車をかけているのが、テレビ、新聞、週刊誌などのマスメディアの煽り記事だと三輪さんは述べています。悪意に満ちた内容、妬みが見える内容、不安を煽る内容、これらの報道内容にすれば、人々が付和雷同し、視聴率は上がり、発行部数も伸びます。だから、マスメディアの伝える情報というのは、こういった負のイメージを人々に抱かせるものが多いんですね。

でも、こういったマスメディアの報道のあり方が、マスメディア自身の首を絞めているのだと三輪さんは指摘しています。

国民の預金残高は、1,400兆円もあります。これだけのお金があるのに不景気となるのは、それが動かないからです。では、なぜお金が動かないのでしょうか?それは、マスコミの煽り記事が原因なのです。将来に不安を抱かせるような報道ばかりだと、人々がお金を貯め込むのは当たり前です。すると、煽り記事を流したマスメディアにそのツケが回ってきます。

まず、不景気になれば広告費が一番先に削られるのです。CMや広告料を収入源にしている、テレビ、雑誌、新聞などはやりくりが大変になります。バカですね。その結果<嘘から出た真実>で、本物の不景気になってしまったのです。
今の不景気は名づけて<マスコミ不景気>と、申します。(134ページ)

これが三輪さんが述べている正負の法則ということです。

マスメディアの収益が減っているのは、視聴者や読者がお金を使うのを控えようと思うような情報ばかりを流してきた結果です。煽り記事を流せば一時的に視聴率も発行部数も伸びますが、それは一過性のものでしかありません。そして、そういう安易な方法で得た収益に対しては、後で必ずツケを払わせられるので、ジワジワと業績が悪化していきます。

新聞や雑誌は部数が落ちています。テレビも視聴率が落ち、広告料収入が減っています。すると、番組制作費を抑えるために1時間番組を特番と称して2時間放送します。1時間番組と同じ程度の内容でしかないのに視聴者は2時間もテレビの前に座らせられます。そうすると、長時間拘束されることを嫌う視聴者は、テレビを敬遠するようになるのではないでしょうか?

僕も最近は、テレビの視聴時間を減らしています。1番組の放送時間があまりにも長すぎるからです。30分番組や1時間番組をたくさん放送してくれた方が、空いている時間に息抜き程度にテレビを楽しむことができるのですが、今の特番ばかりの状況では、わざわざテレビを見るために他のことを犠牲にしなければなりません。

すると、テレビを見るか別のことをするかの2択になってしまいます。そして、今では、多くの場合、テレビの視聴を犠牲にしています。視聴率をとれる人気番組だからといって、特番ばかりを放送すると、視聴者が離れてしまうというのも、まさに正負の法則のあらわれだと思いますね。

正負の法則を理解して生きていくためには

人間が地球に棲む限り正負の法則にあらがうことはできません。しかし、正負の法則ばかりを気にしていては、大きな成功や幸福を手にすると、次は必ず失敗や不幸が訪れると思って、不安な気持ちで毎日を過ごさなければなりません。これでは、やりたいことをできなくなってしまい、生きていることが辛いだけです。

でも、正負の法則を理解し、日々を過ごしていれば、実は、そういった不安な気持ちにならなくて済みます。

一升瓶に一升のお酒を入れてしまうと、ちょっと動くだけでこぼれてしまう。どうしてもそうなるのです。初めから八分目から九分目に入れておけばこぼれずにすむ、無駄にならないのです。
残りの二分どうすればよいでしょう。
人に初めからあげておけばいい。人も喜ぶし、お酒も無駄になりません。(183ページ)

自分が得た富を独り占めにせず、ちょっとずつ周りの人に還元しなさいということですね。大金を稼いだのにそれを世の中に還元しなかったら、ケチな奴だと思われ、ひがみや妬みの対象になります。でも、自分の稼ぎの中から2分程度、社会に還元することで、人に喜ばれるし、将来大きなツケを払わされることも無くなります。

何事にも正負の法則が働くのだと理解することで、気持ちにゆとりを持つことができ、世の中も良い方向に発展していくのではないでしょうか。

ああ正負の法則

ああ正負の法則