日本史
南北朝時代を描いた古典に『太平記』があります。後醍醐天皇の南朝と足利尊氏が擁立した北朝との間で、約100年戦乱が続いたのが南北朝時代です。戦前は、『太平記』に登場する南朝の武将楠正成を英雄とする風潮があり、また、幕末明治維新も、南朝こそが正統…
多くの人が、何気なく街中を歩いている時に石碑を見つけた経験を持っていると思います。でも、ほとんどの場合、石碑の前に立ち止まり、何が書かれているのか確認する人はいないでしょう。そもそも古い石碑になると、常用漢字ではない難しい漢字が使用されて…
日本史は、得意な人と苦手な人に分かれやすい科目のように思います。大河ドラマや歴史のゲームが好きな人は日本史を得意とすることが多いですが、それらに興味がない人にとっては理解しにくい科目なのではないでしょうか。日本の歴史だけといっても、縄文時…
歴史の事実は、古くなればなるほど真偽がはっきりしなくなるもの。遺されている史料はわずかしかなく、そして、そのわずかな史料に書かれていることが怪しい内容であっても反証が難しいです。だから、古代史ほど史料を絶対視する傾向にあるような気がします。
人類の歴史の中で、戦争は何度も繰り返されてきました。為政者の権力争いは、何の罪もない民衆を巻き込み、多くの犠牲者を出してきました。しかし、第2次世界大戦を除き、当時の民衆が戦争とどう付き合っていたのかを学ぶ機会はほとんどありません。そのた…
歴史上の事件の中には、考えられないような奇跡的なものがいくつもあります。偶然なのかもしれませんが、もしかしたら、必然的に起こった事象だったのかもしれません。科学が未発達の時代にあっては、それは奇跡と呼ぶしかなかったり、神仏のご加護があった…
企業不祥事が報道されると、次々に組織の腐敗が明るみになっていきます。組織が腐敗するから不祥事が起こるのか、不祥事が起こるから組織が隠ぺい体質になり腐敗するのか、どちらが先かはわかりませんが、不祥事と組織の腐敗は深い関係があると言えそうです…
太平洋戦争は、日本に甚大な被害を与えて終戦を迎えました。最初からアメリカに勝てるはずがないのに開戦に踏み切ったこと。勝敗は決しているのに少しでも有利な条件を引き出すために戦争を長引かせたこと。今から見れば、当時の政府がいかに無能であったか…
戦国時代に浅井長政という武将がいました。最近は、浅井長政と書いて「あざいながまさ」と読むのだと言われていますが、かつては、「あさいながまさ」と読んでいました。昔の文献に浅井長政と書かれていたら、「あざい」なのか「あさい」なのか判断できない…
天皇家は、二千年の長きにわたって続いています。平清盛や織田信長のような強大な武力を持った武士が登場しても、天皇家は途絶えることなく現代まで続いていますが、室町時代には、足利義満の皇位簒奪計画により、その存続が危ぶまれた時期がありました。足…
天皇が存命中に譲位すると、太上天皇となります。省略して上皇と呼ぶのが一般的です。上皇が、権力を握り政治を行うことを院政といい、平安時代末期の白河上皇、鳥羽上皇、後白河上皇が院政を行った上皇として特に有名です。上皇は、現代の会社でいうと会長…
京都御苑の北に同志社大学の今出川キャンパスがあります。かつて、この地は薩摩藩の藩邸があった場所でしたが、数奇な運命を経て同志社大学の前身である同志社英学校を開いた新島襄の所有となりました。新島襄が、今出川キャンパスの地を手にする遠因となっ…
京都の鴨川に架かる橋はいくつかありますが、その中で有名なのは、牛若丸と弁慶が出会った場所と伝わる五条大橋、東海道五十三次の終着点である三条大橋でしょう。どちらも、古くから鴨川に存在しているように思われがちですが、三条大橋を架けたのは豊臣秀…
朝廷が、南朝と北朝に別れて約100年争った南北朝の争乱は、室町幕府3代将軍の足利義満によって終わりを迎えました。2つの朝廷が存在すること自体あり得ないことですが、それが100年も続いた南北朝時代は、異常な時代です。その異常な時代を終わらせた足利義…
日本史上もっとも有名な人物は徳川家康でしょう。戦国時代を終わらせ泰平の世を築いた功績も、他の歴史上の人物と比較して偉大なものだったと言えます。だから、徳川家康については、その生涯が詳しくわかっているように思われている面がありますが、意外と…
自国の歴史を学ぶ際、教える側は自国民であることが多いです。日本史であれば、日本人教師が、児童や生徒に教科書を使いながら教えます。どの国でも、自国の歴史は自国民から学ぶのが当たり前です。だから、他国から自国の歴史を見るとどのように映るのかは…
「歴史に、もしもはない」よく聞く言葉です。過ぎ去った出来事について、後から何を言ったところで変えようがありません。だから、歴史を見て、あの時、あのようになっていれば、その後の歴史は変わっていただろうと言っても仕方ありません。でも、過去のこ…
過去に起こった事実は絶対に変わりません。だから、歴史の教科書に書かれている内容も変わらないはずなのですが、日本史の教科書は、数十年前から内容が変わっています。時代によって、何を教えるべきかという価値観は変わりますから、それに応じて教科書の…
自分が生まれる前の出来事は、誰かに教えてもらわないと知ることはできません。年上の人が記憶を頼りに語る内容は、部分的に忘れていることがあるので、やや正確性に欠けますが、それでも、まずまず信用できます。しかし、その年上の人も生まれていなかった…
平安時代末期の源平合戦が行われていた時代については、平家物語などで様々に語り継がれています。大筋で事実が語られているのでしょうが、中には、弁慶の立ち往生のように本当にそんなことがあったのかと疑問に思う伝説もたくさんあります。そのような伝説…
幕末。それは、京都が政治の舞台となった時代。京都に幕府の首脳や各藩の殿さまが集まり、朝廷とともに国難を乗り切るための会議が行われました。また、志士と呼ばれる下級藩士や百姓出身などの身分が低い者たちも京都に集まり、上から下まで政治に関わろう…
人は死ぬとどうなるのかは、人類の永遠のテーマと言えます。無になるのか、それとも別の人に生まれ変わるのか。考えても、その答えは出てきそうにありません。また、死んだ人が生き返るといった伝説もあります。人は死んだら無になると信じたくない誰かが言…
民主主義国家は、国民全員が平等な国家です。でも、民主主義の誕生は、おもしろいことに国民よりも上位の絶対的な存在を認めたことに始まります。その絶対的な存在は、一神教の神です。神の下では、誰もが平等と考えたことが民主主義の出発点であり、神の存…
現在では、神社とお寺は別々に存在するのが当たり前となっています。両者の違いがよくわからない人は、鳥居が建っているのが神社と覚えておけば大体正解です。ただ、お寺の中にも、境内に鎮守社があり、その前に鳥居が建っていることがあるので、鳥居があれ…
平家物語は、平家の栄華と滅亡を描いた軍記物ですが、数多くの女性が登場します。どの女性も脇役なのですが、平家物語の世界観を表現するために欠かせない存在となっています。男性の政治争いに翻弄され、最後は出家したり田舎に隠棲したり、当時の女性たち…
江戸幕府の崩壊は、1853年の黒船来航から始まったとされています。その後、国を開き、200年以上続いた鎖国体制を終わらせた大老の井伊直弼が、1860年に桜田門外で水戸浪士たちに襲撃され暗殺されると、幕府の権威は一気に衰えていきました。この桜田門外の変…
日本の戦国時代は、下の者が上の者にとって代わる下剋上の世の中でした。織田信長も豊臣秀吉も、自分よりも身分が高い者たちにとって代わり大出世しています。戦国時代の幕開けとなったのは、応仁の乱です。室町幕府8代将軍の足利義政の後継者争いが、他家に…
かつての日本では、仕事をするのは男性で、家を守るのが女性と考えられていました。しかし、現在では、女性が外で仕事をすることは当たり前となっていますし、女性の社会進出を支援しようとする動きも見られます。古い慣習にとらわれず、男女同権とすること…
いつの世も大富豪はいるもの。一生懸命働いてお金持ちになった人、宝くじを当ててお金持ちになった人、不動産や株式などの投資でお金持ちになった人。大富豪になった理由は様々ですが、うらやましく思いますね。歴史上も、豊臣秀吉のような権力者が、巨万の…
歴史に登場するのは男性ばかりですが、女性が当時の社会に影響を与えていなかったわけではありません。政治の世界では、持統天皇や北条政子がいましたし、文学の世界では紫式部や清少納言が有名です。ただ、女性については、男性よりも史料が少ないため、後…