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ウェブ1丁目図書館

読書で得ること感じること。ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。

投資信託を買うことは馬券の予想屋にお金を払うことと同じだと知ろう

株式投資の初心者に投資信託をすすめる人がいます。

投資信託は、複数銘柄の株式や社債に投資し、それをひとつのパッケージにしたものです。そして、そのパッケージを100口や200口といった形に細分化して販売します。投資する銘柄の選定は、ファンドマネジャーと呼ばれる金融のプロが行うので、初心者が個別に株式を購入するよりも安全かつ収益性が高いと思われがちです。

しかし、投資信託個人投資家にとって極めて不利な投資であり、初心者こそ避けるべき商品なのです。

儲け話を他人に教えるお人好しはいない

競馬場の周辺に予想屋と呼ばれる人たちがいることがあります。

彼らは、レースで1着に来る馬を予想し、その予想を1,000円や2,000円といった金額で売ります。また、最近ではインターネットを利用した予想屋もありますが、基本的に競馬場近くにいる予想屋の人たちと同じです。

予想屋を見て、多くの人が疑問に思うことでしょう。


「なぜ、彼らは儲け話を人に教えるのか?」


競馬では、人気の馬が1着になると配当が低く、人気のない馬が1着になると配当が高くなります。だから、自分が1着に来ると思った馬を他人にすすめる行為は、配当を下げる結果にしかならないのです。

多くの競馬ファンは、そのことを知っているから、予想屋から予想を買うことはしません。

でも、競馬の予想屋と同じようなものであるファンドマネジャーが作った投資信託には、多くの個人投資家が何の疑問も持たずに投資するんですよね。

株式投資に詳しい山崎元さんは、著書の「お金をふやす本当の常識」の中で、「儲かる方法を他人に教えることは経済合理的でない」と述べています。

考えてみると、ファンドマネジャーという職業は、他人よりも運用がうまくなければ存在意義がありませんが、他人よりも運用がうまいことが確実であれば他人のお金よりも自分のお金を運用するのが自然ですから、微妙なバランスの上に成り立っている仕事です。現実の運用ビジネスの世界は、①良いファンドというものがある、かつ②これを事前に見分けることが可能だ、という実際には成立の怪しい二つの仮定を信じ込ませて顧客にファンドを売る、マーケティング主導のビジネスがその本質だといえます。
(156ページ)

確実に儲かるポートフォリオがあるのなら、自己資金で運用し儲ければ良いはず。それなのに顧客から資金を集めて運用するのは、その投資信託の値上がりよりも確実に儲かる理由があるからなのです。

チャートを使ったテクニカル分析に根拠なし

よく初心者向けの投資セミナーのようなところで、株価の推移(チャート)を見て相場を予想するテクニカル分析の手法を教えています。過去の株価の推移を見せ、大きく値上がりしたり値下がりしたりしているところで、どのようなことが起こったのかを説明し、あたかも、その原因を予測可能なように思わせることがあります。

しかし、そのような説明はすべて後付です。そして、真の投資のプロはテクニカル分析が何の役にも立たないことを知っているのです。

年金運用をはじめとして、プロの運用の世界では、多くの場合テクニカル分析はまともな運用の手法としては相手にされていません。
(中略)
まず、有効性を科学的に論じようとする場合には、個々のテクニカル分析手法の有効性の立証責任はテクニカル分析側にありますが、きちんとした手続きで論文に書かれて有効性が立証されているテクニカル分析手法は、筆者の知る限り存在しません。
(166~167ページ)

当然のことです。

チャートの動きから、今後の企業の業績を予測することなんてできません。ある製薬会社の株価が下がり続けているから、そろそろ新薬が開発されて株価が上がるはずだといった予測が成り立つわけがないのです。

企業の業績を測る尺度は、財務諸表以外にないと思うべきです。そして、財務諸表を読み込む知識を身につけて、その企業の業績をしっかりと理解した上で株価を予測するファンダメンタル分析こそが、株式投資で身につけなければならない知識なのです。

金融機関はなぜ投資信託を売るのか?

では、金融機関やファンドマネジャーが、テクニカル分析のセミナーを開いてまで投資信託を売ろうとする目的な何なのでしょうか?

それは、売買手数料を稼ぐためです。

投資信託への投資手法には、毎月一定額を投資するドルコスト平均法などがあります。売買が行われるたびに金融機関は手数料を得ることができるのですから、一人の顧客に何度も取引をしてもらった方が利益が増えます。そして、頻繁に売買を繰り返してもらうために都合が良いのがテクニカル分析なのです。

チャートを見て、株価が上がったり下がったりするたびに売買してもらえれば、金融機関にはたくさんの売買手数料が入ってきます。だから、金融機関としては、個人投資家がチャートに貼りついてくれればくれるほど、手数料収入が増えるので、チャートを使ったテクニカル分析を投資の初心者に教え込むんですね。


これに対してファンダメンタル分析の場合は、分析の対象となる財務諸表が年に4回しか公表されないので、基本的に売買のタイミングは、その4回しかありません。これでは、金融機関は多くの売買手数料を稼ぐことができません。

チャート分析は、根拠の乏しい売買を誘発して売買手数料を稼ぐために証券業界が普及に努める「手数料製造装置」でもあります。思い切って捨ててしまっても、投資家にとって何ら不都合はありません。
(169ページ)

金融機関が売買手数料で儲けるために考え出したテクニカル分析を勉強する時間があったら、ファンダメンタル分析をできるだけの会計の知識を身につけた方が良いでしょう。無の状態から財務諸表を作れるようになれれば、誰だってファンダメンタル分析はできます。

難しそうに思うかもしれませんが、日商簿記検定3級を取得すれば、財務諸表を自分の力で作れるようになります。独学でも勉強期間は3ヶ月~6ヶ月程度で十分です。

そして、会計の知識を身につければ合理的な投資ができるようになるはずです。

ビギナー投資家にぜひ覚えておいてほしいのは、運用の本質は基本的に、「持っている状態」であり、「頻繁な売り買い」ではないということです。なぜかといえば、頻繁な売買はコストが大きくて不利だからです(それ以上でもそれ以下でもありません)。
(171ページ)

参考リンク

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