ウェブ1丁目図書館

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年金がもらえるか心配しても無駄。それより個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入を検討しよう。

老後資金が不足しそうだ。公的年金は、将来的に受給額が減りそうだから、国民年金や厚生年金だけでは老後が心配。

少子高齢化が進んでいるためか、このような不安を抱えている人は多いと思います。公的年金は、今の若い人はもらえないと断定的に言う識者もいれば、安全だと主張する識者もいます。

今、20代の人が年金をもらうようになるのは約40年後です。40年先の未来を言い当てられるのなら、10分後に発走する有馬記念の馬券を当てることなど容易なはず。ところが、15分後には、中山競馬場の空に無数の馬券が飛んでいます。この光景を過去に何度見たことか。

40年後の未来を言い当てられる人はほとんどいませんから、40年後に公的年金がもらえるか、破綻しているかを考えるのは、あまり建設的な議論ではありません。40年後の公的年金について議論をしている人は、どうせ40年後には、お亡くなりになっているのですから、予測した未来が間違っていてもだれも責任を取りません。

iDeCoという選択肢がある

将来、公的年金がどうなるかはわかりませんから、自分自身で老後資金をある程度は蓄えておく方が安心です。

老後資金を蓄える手段で、最も簡単に思いつくのは預貯金です。定期預金や定額貯金は、普通預金よりも利率が優遇されていますから、余裕資金を普通預金に預けっぱなしにしているよりも、定期預金や定額貯金に入れておいた方が得です。ただ、昨今の低金利では、受け取れる利息は微々たるものですが。

だから、少しでもお金を増やそうと思ったら、リスクを取って株式や不動産などに投資することになります。しかし、株式や不動産に投資する場合、まとまった資金が必要になります。若い人は、なかなか投資に回せる資金を用意できないでしょう。

それなら、投資信託はどうか。投資信託は、複数の投資家から資金を集め、ファンドマネージャーが株式、債券、不動産などに投資し、その運用成果を投資家に分配する金融商品です。投資信託は、少額から購入できるので、若い人でも手を出しやすい金融商品です。

ただ、預貯金の利息にも、株式や投資信託の売却益にも、20%の税金がかかるというデメリットがあります。せっかく老後資金を増やせても、増えた分の2割はお国に持って行かれるのですから、やりきれいない気持ちになります。

しかしです。

個人型確定拠出年金iDeCo)に加入すれば、運用益には一切税金がかかりません。定期預金の利息も、投資信託の運用益も、自分の懐に全部入れることができるのです。

iDeCoは20歳以上であれば加入できる

iDeCoは、2001年から加入できるようになり、今では20歳以上の人なら、ほとんどの場合加入できます。

ただし、国民年金の保険料が未納の場合には加入できません。iDeCoに加入する場合は、まず、国民年金の保険料を納めましょう。iDeCoの加入者が増えれば、国民年金が破綻しにくくなるので、iDeCoは、国民が老後資金を蓄えるための手段だけでなく、年金財政を安定させる効果もあると言えるでしょう。

iスタンダーズ株式会社から出版されている「一番わかる確定拠出年金の基本のき」は、iDeCoが何なのかわからない初心者に理解しやすい内容となっています。

先ほども述べましたが、iDeCoは、20歳以上なら、誰もが、ほぼ加入可能です。掛金の支払いは60歳までで、60歳になった時には、老齢給付金を一時金として受け取るか、年金として受け取るかを選択します。ただし、60歳以降も運用を続けたい場合は、最長70歳まで運用可能ですが、掛金の支払いは60歳までです。

なお、2019年5月現在では、掛金の支払いは60歳までですが、65歳に引き上げようという動きがみられるので、将来は65歳になると思います。

iDeCoは節税効果が高い

iDeCoは、運用益が非課税だと述べましたが、他にも、掛金が全額所得控除、受取時も控除を受けられるという税制面のメリットが2つあります。

掛金が全額所得控除

iDeCoの掛金は、全額を所得から控除できます。例えば、毎月1万円を掛金として支払っていた場合、年間12万円の支払いとなります。この12万円を所得から控除してもらえるのです。

最低税率は、所得税と住民税を合計して15%ですから、年間12万円の掛金支払いだと、3万円1万8千円の節税となります。

掛金全額を所得控除できることがどれだけすごいことか、よくわからない人もいるかもしれません。でも、毎月1万円を定期預金に預けるだけで、1年後に1万8千円の利息をもらえると例えれば、掛金全額を所得控除できるメリットの大きさを理解できると思います。最高税率55%が適用される人だと、年間12万円の掛金支払いで、6万6千円の節税です。

そんなに節税効果が高いのなら、年間120万円をiDeCoに突っ込もうと思う人もいるでしょうが、残念ながら、掛金には上限が設定されているので、それは不可能です。企業型確定拠出年金がある会社に勤めている人や公務員は、1万2千円/月が掛金の上限です。最も優遇されている個人事業主でも、6万8千円/月までしか掛金を支払えません。

受取時も控除を受けられる

60歳になり、老齢給付金を受け取る場合も、税制面の優遇があります。

一時金として受け取る場合は、退職金扱いとなるので、退職所得控除を受けられます。退職所得控除は、20年までは掛金支払年数に40万円を乗じた金額で、20年を超えると、超過年数に70万円を乗じた金額が上乗せされます。20年の掛金支払いだと800万円、30年の掛金支払いだと1,500万円が退職所得控除になります。

また、年金として受け取る場合でも、公的年金等控除が受けられるので、税額が少なくなります。

iDeCoは60歳まで引出せない

老後資金を用意するために定期預金を組んだり、投資信託を買うなら、iDeCoに加入して定期預金を組んだり、投資信託を買う方が節税メリットを受けられるので得です。

ただ、60歳になるまで、資金を引出せないデメリットがあります。将来、掛金の支払いが65歳に延長された場合は、65歳まで資金を引出せなくなるでしょう。

しかし、老後資金を用意することが目的なら、60歳まで資金を引出せないことは、大したデメリットではありません。どうせ若い時は使わない資金ですから。

そんな小さなデメリットよりも、毎年の年末調整で、税金が戻ってくるメリットの方が遥かに大きいです。


iDeCoは、将来受け取れる年金額は、運用成果に依存しています。運用が上手くいかなければ、元本割れすることもあります。安全性の高い金融商品ばかりで掛金を運用すれば元本が減る危険性は低いですが、元本を増やすのも難しいです。

でも、今、iDeCoに加入せず、投資信託の売買を繰り返しているよりも、税制面のメリットを考慮すれば、iDeCoに加入して投資信託で資金を運用する方が圧倒的に有利です。

老後資金に不安がある方は、iDeCoの加入を検討すると良いでしょう。