ウェブ1丁目図書館

ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。なお、当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。

使える知識を身に付けるためにはインターネットだけでは不十分

世の中には、様々な仕事がありますが、その中でも、ライターや作家など身に付けた知識を文章や映像として他者に提供する仕事は、日々の情報収集が大切です。また、情報収集は、会社のマーケティングや営業の仕事をしている人にも関わってきます。

よくよく考えてみると、これらの仕事以外でも、情報収集の重要性が増してきていますから、情報の取捨選択の力は、現代人に必須の能力と言えそうです。

最近は、インターネットの発達で、簡単に情報を入手できるようになっていますから、インターネットを使えれば、どんな情報も得られるように思われがちです。しかし、自分にとって役に立つ情報はインターネットだけでは入手が困難なこともあります。だから、インターネット以外の情報収集の手段も知っておいた方が良いでしょう。

世の中を知りたければ新聞を読む

作家で詩人の池澤夏樹さんは、著書の『知の仕事術』で、「人々が、自分に充分な知識がないことを自覚しないままに判断を下す」ようになっていると述べています。

その傾向を助長しているのが、SNSです。見出しだけ見て「いいね」を付ける人はたくさんいますし、そのことについての基礎知識がないまま賛成や反対の意見を言う人もよく見ます。そして、それら浅い情報を集めて記事にしたウェブサイトも増えており、グーグルで検索しても、深みのない情報ばかりがヒットするようになっています。

SNSで話題になるのは、時事的な事柄が多いです。

だから、世の中で何が起こっているかを知るには、SNSが一番だと思うかもしれませんが、先ほども述べたように浅い知識で情報発信している人が多い世界なので、SNSだけでは事実かどうかを確かめるのは難しいです。

世の中で起こっていることを広く知る道具としては、今も新聞にかなうものはないでしょう。池澤さんは、新聞を「日々更新される世界図」と表現していますが、確かに新聞にざっと目を通すだけで、世界で何が起こっているかを知ることができます。また、事実だけを知りたい場合も新聞は役立ちます。

テレビだと、アナウンサーやコメンテーターが特定の出来事を掘り下げて視聴者にわかりやすく説明していますが、そこには、視聴者を説得しようとする意見が含まれることが多いので、印象操作される可能性があります。これは、ネットの動画も同じです。インフルエンサーが何でも知っていると思っていると、まちがった知識を身に付けてしまうので注意が必要です。

また、インターネットでも、新聞と同じ記事を読めますが、世の中で起こっている無数の出来事を一目で見るのには不向きです。やはり、ざっくり世の中の出来事を知るためには、今も紙の新聞が最も優れた道具であることに変わりありません。

詳しく知りたいなら本を読む

ある分野について詳しく知りたい場合は、書籍にあたりましょう。

書籍には、紙の本と電子書籍がありますが、仕事や勉強で情報収集する場合は、紙の本の方が使い勝手が良いです。

書籍で情報収集する場合、重要だと思ったところに線を引くことがあると思いますが、池澤さんは、ほとんど線を引かないそうです。僕も、本に線を引くことは滅多にありません。その代わり、重要な箇所には付箋を貼るようにしています。池澤さんも付箋を貼るとのこと。

線を引くのも良いですが、本を閉じると、どこに線を引いたか一目で確認できません。でも、付箋であれば、どのページに貼ったかは一目瞭然なので、自分が再度見たい情報をすぐに探し出せます。また、池澤さんは、啓発された内容があった場合は、紙にページ数と内容を書いておくとも述べています。

後から読み返すのであれば、付箋を使ったり紙にメモする方が、線を引くより便利です。

この後から読み返すという点では、電子書籍は不向きです。紙の本のようにパラパラとめくれないので、どうしても電子書籍は目的のページにたどり着くまでに時間がかかります。また、紙の本だと、パラパラめくっているうちに文章が目に入って来るので、新たに重要な文章に気づくこともあります。

書店の利用

書籍を入手する手段には、街の本屋、ネット書店、図書館があります。

買う本があらかじめ決まっているのなら、ネット書店を利用するのが便利です。でも、漠然とこの分野についての本が欲しいと思った時には、街の本屋に足を運んだ方が必要とする本に出会える可能性が高いです。

これは、インターネットと新聞の関係と同じで、ネット書店より街の本屋の方が、より多くの本のタイトルが目に入ってくるからです。類書を比較して、どちらが今の自分に合っているかを検討できるのも、街の本屋の利点です。図書館も、街の本屋と同じように類書を比較しやすいですね。

また、街の本屋だと、自分が興味を持っていなかった分野の本にも目が行きやすく、新たな発見を得られやすいです。ネット書店だと、本のタイトルがわからなければ検索できませんから、興味がない分野の本を偶然手にする機会はそうそう起こりません。せいぜい、自分や他人の購入履歴から、機械が勝手に選んだおすすめの本のタイトルが並ぶだけです。

街の本屋で、仕事や勉強に必要な本を買う時は、必ず、目次には目を通しましょう。これは、その本に何が書かれているのかを知る手段になるとともに、本を読んでいるときに展開を事前に知っていると内容を理解しやすくなるからです。

新たな情報の出会いの場として、古本屋も欠かせません。

最近は、多くの本屋が新刊を中心に置いているので、少し古い本でも取り扱っていないことがあります。そういった本を探すのに古本屋は便利です。また、数十年前に出版された本に出会えるのも、古本屋の魅力です。

ただ、古本屋は、どの店に目当ての本が置いてあるかがわからない欠点があります。タイトルがわかっている古本であれば、日本の古本屋というウェブサイトを利用すると良いとのこと。確かに使ってみると、古い本がザクザク出てきます。


情報収集は、インターネットで十分と思っている人が多いですが、使える知識を身に付けるためには、インターネット以外からの情報収集も必要です。旅行に行くときも、インターネットの口コミだけでなく、ガイドブックも買った方が充実した旅になるのは言うまでもありません。