ウェブ1丁目図書館

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政治にも経済にも基本的なルールがある

政治や経済のニュースは、よくわからないことが多いです。

なぜ、あの国は戦争をするのか。
なぜ、衆議院の解散は、今から何ヶ月後だと予想できるのか。
なぜ、金融緩和が経済に良い影響を与えるのか。

これらは、ニュース番組でコメンテーターが解説してくれることが多いので、なんとなくわかったような気分になります。でも、朝起床した時に内容なんて全部忘れていて、結局、「なぜ」の数が全く減っていないことに自分の頭の悪さを痛感させられます。

ルールを知る

国際情勢も、政治も、経済も、ニュースの内容が理解できなかったり、わかったと思ってもすぐに忘れてしまうのは、それらのルールを知らないことが原因です。

憲政史研究者の倉山満さんの著書『2時間でわかる政治経済のルール』では、それらの基本的なルールが一般向けに解説されています。

例えば、衆議院が解散され総選挙が行われるのはいつかを知りたければ、まずカレンダーを見ることが必要です。これは選挙のルールと言えます。選挙を行うためには、暇な時期を選ばなければなりません。国民にとって暇な時期ではないですよ。国にとって暇な時期です。

半年後にサミットが予定されていれば、解散総選挙を半年後に実施することは困難です。サミットで忙しいのに選挙なんてやってられませんからね。他にも、重要なスケジュールが組まれている時期には、解散総選挙が行われることはありません。これを知っているだけで、コメンテーターが、解散総選挙はいつだとの予想が当たるか外れるかがわかります。

カレンダーを見ながら、「この時期とこの時期は、スケジュールが詰まっているから、解散総選挙を実施できるとしたら、8ヶ月後しかない」と説明している場合は信用できそうです。他方、「国民の不満が高まって内閣支持率が下がっているから」としか説明しない場合には信用できません。

国際情勢は経済力より軍事力

国際情勢に関しては、腕力が最も重要です。すなわち、軍事力こそがモノをいうです。

地政学の視点では、大国(パワーズ)は、軍事力が強い国であり、アメリカ、中国、ロシアの3国か該当します。日本は、経済大国ではありますが、軍事力がこれら3国よりも劣るので、地政学的に見てパワーズではありません。

国際情勢のカギを握るのは、パワーズです。日本のように経済力が強い国はパワーズではないので、国際情勢に大きな影響力を持ってはいません。国際的に発言力を持つためには、軍事力を高めていく必要があります。北朝鮮が核を持とうとするのは、地政学の視点からは当然のことと言えます。

良いインフレはあっても良いデフレはない

物価が上がっていくことをインフレ、物価が下がっていくことをデフレといいます。

デフレは悪というのが、経済でのルールです。物価が下がることは、モノの価値が下がることを意味します。そのため、デフレ下では、生産者が今日作った製品は、昨日作った製品よりも価値が低くなります。自分が作り出したモノの価値が常に下がり続ける状況では希望など持てません。

反対にインフレ下では、今日作った製品は、昨日作った製品よりも高い価格で売れるようになります。これは、毎日仕事を続けていれば収入が増えていく状況なので、欲しいものを買いやすくなります。働いていれば豊かになっていくのですから、国民の心理に良い影響を与えるのは言うまでもありません。

しかし、インフレが必ず良いわけではありません。あまりに物価が急速に上がっていくと、収入の増加が追いつかなくなり、逆に国民は欲しい物を買えなくなります。月率数万%で物価が上がっていくハイパーインフレが起こると、国民の生活は破綻してしまいます。

年率4%のインフレであれば問題がなく、2~4%のインフレ率が経済にとってちょうど良いインフレ率とされています。

総理大臣になりたければ自民党に入る

誰でも、総理大臣になれる可能性はあります。しかし、総理大臣になれる人は限られています。

現代の日本だと、自民党に入ることが必要条件と言えるでしょう。その他の政党に所属していては、総理大臣になるのは厳しいです。

自民党に入ることが、総理大臣になるための初歩的なルールです。そして、以下の3つの条件を満たせば、総理大臣になれる可能性が高まります。

  1. 自分の派閥を持つ。
  2. 党三役を最低2回経験。特に幹事長が重要。
  3. 主要閣僚を最低2回経験。特に財務大臣が重要。


選挙に当選するにしたがって、出世の階段を上って行けば、「2」と「3」の条件を満たせそうですが、最終的にものをいうのは支持者の数ですから、自分の派閥を持つことは総理大臣になるためにとても重要です。

そして、派閥の力を使って、参議院選挙に勝つことが、総理大臣になった後の安定的な政権運営には欠かせません。衆議院選挙も重要ですが、自分の力で当選する猛者ぞろいなので、彼らを味方につけても離反されてしまう危険があります。それに対して、参議院選挙の場合、派閥の力で当選させてもらった議員ばかりなので、数多くのイエスマンをそろえられ、離反者を少なくできます。

だから、総理大臣にとって、参議院選挙は非常に重要となってきます。


ニュースを理解するためには、国際情勢、政治、経済の基本的なルールを知っておくことが必要です。基本的なルールは少ないので、誰でも簡単に覚えられます。

最後に最も重要なルールを紹介しておきます。

日本の政治は、官僚が動かしている。