数学の授業は、「何を学んでいるのか、さっぱりわからなかった」という方は多いのではないでしょうか。
僕も、中学校2年くらいでよくわからなくなり、高校の時は数学の科目はほとんど選択しませんでした。難しい数学を知らなくても、生きていけるのですが、本を読んでいると、時々、複雑な数式が出てきて訳がわからなくなる時があります。こんなときは、もっと数学を勉強しておいた方が良かったなと思いますね。
でも、学生時代に数学を勉強してこなくても大丈夫。大人になってからでも、暇なときに勉強することは可能です。
中学校の知識だけでも大学受験の数学が解ける
最近では、大人が数学を学びなおすための書籍がたくさん出版されています。中学校や高校のテキストとは違い、興味を持って読める工夫がしてあるものが多いので、読み物としても楽しめます。
元代々木ゼミナールの数学科教師の定松勝幸さんの著書『こんなふうに教わりたかった!高校数学教室』も、大人が数学を学びなおすのに適した1冊です。
難関大学の入試問題を使いながら解説しているので難しそうに感じますが、必要な知識は、中学校の数学と高校2年生の前半までに習う数学だけです。高校の数学なんて、もう忘れたという方でも、中学校の数学の知識があればどうにかなります。わからない箇所は、あまり深く考えず先に進んでも、解答を見た後は、なんとなく数学の考え方が理解できます。
とりあえず、本書を読む前に2次方程式の解の公式は思い出しておきましょう。さっぱり思い出せない方でも、今は、インターネットで検索すれば、2次方程式の解の公式が出てきますから心配ありません。
三角形の面積を求められれば解ける国立大学の入試問題もある
本書では、11問の大学入試の問題が紹介されており、その中で有名な国立大学の入試問題が9問あります。東大や京大の数学の入試問題なんて解けるはずがないと思うでしょうが、三角形の面積を求められれば解ける問題もあるので、数学が苦手な方でも自信がついてきます。
問題文を読んでいると、三角形の3辺の比がどうのこうのと出てくるので、それを見るだけで挫折しそうになります。でも、「底辺×高さ×1/2」という三角形を求める式さえ知っていれば解答できるので、まるで暇なときに気分転換にパズルを解いているような感覚で問題に取り組めます。
もちろん、ややこしい問題もあります。虚数だとか正弦定理だとか、そう言えば、そんな言葉あったなという程度の記憶だと太刀打ちできないですが、それらもネットで調べて軽く理解すればどうにかなります。
図形の問題が多めですが、図が書かれているので、それを眺めていれば、なんとなく、どこから攻めれば良いのかが予想できます。そして、自分の予想と解答の手順が一致していた時には、パズルを解く以上の喜びがわき上がってきます。
数学は大人になってからの方が理解しやすい
学生時代に数学の問題が解けず、苦手意識がある人は、大人になってから、もう一度勉強しなおすと意外と理解できるものです。
人の記憶力は、子供と大人で異なっており、子どもの頃は丸暗記が得意ですが、大人になると論理的に覚えるのが得意になります。数学は、論理的に覚える科目なので、大人の記憶力になる前の学生時代に勉強しても身に付かなかっただけかもしれません。
大人になったのでもう数学を勉強するのは無理だと思うのではなく、大人になった今こそ数学を勉強する時だと考えましょう。小学校の算数から学びなおしたって恥ずかしいことはありません。大人が楽しく読める算数の本も書店に並んでいるくらいですからね。
学生時代に苦手だったことを大人になってから再チャレンジするのも楽しいですよ。