ウェブ1丁目図書館

ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。なお、当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。

巨大地震が頻発しやすい日本列島

日本列島に住んでいると、よく地震に遭遇します。

他の国に住んでいても、地震に遭遇するだろうと思うかもしれませんが、世界で起こる地震の10%程度が日本列島で起こると言われていますから、日本は世界でトップクラスの地震大国です。日本列島での地震は、今後も頻繁に起こるだろうと考えられており、特に南海トラフ地震が起こると甚大な被害が発生するとされています。

連鎖して起こる巨大地震

日本列島では、小さな地震は頻繁に起こっても、巨大地震が続けざまに起こることは、そうそうないと思っている人は多いでしょう。

しかし、東京大学地震研究所・地震予知研究センター教授の佐藤比呂志さんは、「活断層は固有の活動周期で独立して好き勝手に動くのではなく、プレート境界の巨大地震に向けての一連のシークエンスとして内陸地震が連鎖していく可能性が高い」と、著書の『巨大地震はなぜ連鎖するのか』で指摘しています。

活断層とは、「数十万年前以降に繰り返し活動し、将来も活動すると考えられる断層」のことです。地震が発生するごとに地表近くでずれが累積していくと断層と認識されるようになり、そして、将来も活動し地震を発生させる断層が活断層と認定されます。

プレートが交差する日本列島

日本列島で地震が多いのは、ユーラシアプレートフィリピン海プレート、太平洋プレート、北米プレートの交差点となっているからです。

地球上は、プレートが覆っています。プレートは、動いていることから、プレートの交差点である日本列島では、プレートのひしめき合いが起こっています。それが、地震発生と関係しています。プレートの沈み込みにより、上側のプレートに大きな力がかかり、プレート内の岩盤にもさまざまな力が働き、ひずみが生じやすくなります。

このようなプレートの力が断層にかかると地震が起こります。水平に引っ張る力が働くと、断層が下に滑るようにできます。これを正断層といいます。反対に押す力が加わると、断層が上方向に動きます。これを逆断層といいます。また、横方向に押す力が働くと、横ずれ断層となります。

地震が、陸で発生すると揺れを感じますが、陸から離れた海で発生すると揺れは感じません。しかし、このような海洋プレートで起こるアウターライズ地震は、津波を発生させます。今後は、2011年の東北地方太平洋沖地震に対応するアウターライズ地震の発生が憂慮されるとのこと。

南海トラフ地震

近いうちに南海トラフ地震が発生すると予想されています。

トラフとは、海底にある溝のことで、水深6000~7000メートルあたりより浅いものをいいます。そして、南海トラフとは、静岡県から九州の東端までにある太平洋側のトラフのことです。

1995年の兵庫県南部地震、2000年の鳥取県西部地震、2005年の福岡県西方沖地震、2016年の熊本地震から、西南日本地震の活動期に入ったと考えられ、南海トラフ巨大地震との関連が危惧されています。

南海トラフの巨大地震の発生は、短い間隔では90年程度と見られています。昭和南地震が1946年なので、次は2036年頃に巨大地震が発生する可能性があります。

南海トラフ地震は、来る来ると言われ続け、長い年月が経っています。実は来ないのではないかと安心しきっている人もいるかもしれません。しかし、1995年以降、西南日本で頻繁に地震が起こっているので、南海トラフ地震がいつ来てもおかしくない状況にあることは認識しておいた方が良いでしょう。

2011年の東日本大震災では、福島原発が大きな事故を起こしました。この時は、原発の危険性が認識されたものですが、近年は、原発再稼働に賛成する人の割合が高まってきています。日本が地震大国であることを考えれば、原発再稼働について慎重な姿勢で議論を続けるべきではないでしょうか。