ウェブ1丁目図書館

ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。なお、当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。

本当の特技はニーズを探ることで見つかる

自分には何ができるのかを探すのはなかなか難しいことです。

自分のことは自分がよく知っているはずですが、いざ考えてみると、自分には何ができるのかが見つかりません。いや、見つけることはできるのですが、「それって自分だけの特技ではないよね」というものばかりが見つかり、結局、自分にできることは何もないと結論を出してしまいます。

でも、ここまで考えれば、必ず自分の特技が何なのかは見つけられるはずです。

完全独占を目指す

「キャリアづくりで見落としがちなのは、自分のことを中心に考えるあまり、『あなたを必要とする相手は誰か?自分がその人に対して何ができるか?』を考えないことだ」と語るのは、マーケティング戦略アドバイザーの永井孝尚さんです。

永井さんは著書の『「あなた」という商品を高く売る方法』で、自分自身の強みを見つけ、それをどう活用していくかを解説しています。

自分の特技を探す際の指標とすべきは、完全独占です。つまり、自分にしか提供できないものは何なのかを探し、ライバルと競争が起きない状況を目指すことから、自分の特技を探っていきます。

従来の成功の形は、競争の中に飛び込んで勝つことでした。テレビが売れるとわかれば、誰もがテレビを売る競争に加わっていましたし、扇風機が売れるとわかれば扇風機を売る競争に加わっていました。

しかし、世の中にモノやサービスがあふれかえって来ると、他者と同じ土俵で競争をしていても自分の才能が埋もれていくだけです。しかも、後発だと市場競争で優位に立つことは難しいです。だから、誰もがやっていることに飛びつくのではなく、誰もやっていないことをして競争がない状況、すなわち完全独占を目指すことが、これからのキャリア形成には必要となってきます。

相手のニーズに合っているか

先ほど、自分の特技を見つけるのは難しいと述べました。

自分の特技を見つけるのが難しいと感じるのは、それが相手のニーズに合っているかどうかという視点が抜けているからです。だから、自分の特技を見つける際は、自分が提供できるものの中から相手がほしいと思うものは何かを探さなければなりません。

自分が提供できて、相手のニーズに合っているものをいくつか見つけることができたら、次にその中から他者が提供できるものを差し引いていきます。そして、残ったものが、相手がほしいと思っていて自分にしか提供できない特技となります。これこそが自分の強みです。

試行錯誤を繰り返す

相手がほしいと思っていて、自分がそれを提供できる特技が見つかったら、大まかに考えたうえで、まずやってみます。

行動の前に計画を立てないとダメだと考えがちですが、永井さんは、戦わずして勝つことを目指し、試行錯誤を繰り返していくうちに戦略ができていくと述べています。やってみないと、わからないことはたくさんあります。だから、最初からきっちりと計画を立てても、その通りに事が運ぶことはありません。

また、行動することでセレンディピティが見つかることもあります。セレンディピティとは、当初は期待していなかった価値が、別のことをやっていて偶然発見されることです。動かなければセレンディピティが発見されることはありません。

セレンディピティは偶然発見されるものですが、試行回数を増やすことで、その発見可能性は高まります。

何より行動することで、経験が蓄積され、成功確率を高めることができます。

仮説検証を継続する

物事の上達のコツは継続することです。

しかし、ただ続けているだけではダメです。

まず、仮説を立てること。そして、実際にやってみて、最初の仮説がどうだったかを検証すること。

これを何度も何度も継続して行わなければ、物事は上達しません。だからと言って、いきなり大きな仮説検証をしてはいけません。それで失敗したら、立ち直れないほど大きな損害を被るかもしれません。

仮説検証は、小さなことから始めましょう。そして、期間を区切ることも大切です。そのような小さくて短期間の実験を何度も繰り返すことで、失敗のデータが貯まっていきます。失敗した事実を謙虚に受け入れ、その原因を突き止めることは学びとなります。

この仮説検証を何度も繰り返すことは、他人との戦いではないことに気づきます。過去の自分の失敗を検証し、次の仮説を立てて行動することは、自分の特技をさらに磨いている過程と言えます。そうやって、何度も仮説検証を繰り返せば、相手が求めているものを自分だけが提供できる状態、すなわち完全独占に近づいていけます。


誰にでも、探してみれば特技は見つかるものです。でも、その特技が相手の欲しいものを提供できるかを考える人は少ないです。だから、自分には特技がないと思ってしまうのです。

誰が自分を必要としているかを考えることで、意外と簡単に特技が見つかるかもしれませんよ。