ウェブ1丁目図書館

読書で得ること感じること。ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。

景気は良くならないから売り方の視点を変えてみる

日本経済が不景気と言われるようになって、どれくらいの時間が経ったでしょうか。

今では、生まれた時からずっと不景気しか経験していない社会人もいるくらいですから、不景気こそが、日本経済の普通の姿のようにさえ思えてきます。景気が良ければ何でも売れますが、こういつまでも景気が悪いと商品を売る工夫をしなければ売上の現状維持すら難しいです。

視点を変えてみる

コピーライターの川上徹也さんの著書『売れないものを売る方法?そんなものがほんとにあるなら教えてください!』では、売り方の視点を変えて、これまでより多く商品を売ることに成功した事例が紹介されています。

売り方の視点について、川上さんは、以下の7つの方法を提示しています。

  1. 「ウリ」を変える
  2. 「売る時間」を変える
  3. 「売る場所」を変える
  4. 「売る人」を変える
  5. 「売る値段」を変える
  6. 「売る方法」を変える
  7. 「売る目的」を変える


1つ目の「ウリ」を変えるとは、セールスポイントを変えることです。

今では、全世界で多くの人に食べられているカップヌードルですが、アメリカ進出する時に日本とは違うウリを提示しました。カップヌードルは、日本ではラーメンですが、アメリカで発売する時には、具の多いスープとして売り込みました。当時のアメリカのスーパーにはカップ麺コーナーはなかったので、カップ麺として売ろうとしても難しかったわけです。そこで、アメリカの消費者になじみのあるスープというカテゴリーで売ることにし、見事成功しました。

「ウリ」を変える方法には、カテゴリーを変える以外にも、商品名を変える、用途を変えるといった方法もあります。

時間や場所を変えてみる

時間を変える方法としてすぐに思いつくのは、営業時間を変えることです。

ライバル店と同じ営業時間にするのではなく、早朝や深夜にお店を開けることで売上を伸ばした事例が紹介されています。そんなことで売れるようになるわけないと思うかもしれませんが、これで成功したのがユニクロなのですから、時間を変えてみる価値はあるでしょう。

また、場所を変えるというのは商売の原点とも言えます。

安くで仕入れて高くで売るという発想は、ある場所で安く買って別の場所で高く売ることからきています。誰もが、同じ商品でも、場所が違えば値段が違うことを経験しているはずです。

例えば、子供のおもちゃが出てくるガチャガチャ。これを空港に設置したところ、海外からの旅行者が帰国する時に余った小銭を使いきるために何回も回すというのですから、場所を変える効果の高さがよくわかります。中には、紙幣を両替してまでガチャガチャをする旅行者もいるとのこと。キャッシュレス決済が普及したら、空港でガチャガチャをする旅行者が減るかもしれませんが、その着眼点は他に応用できそうです。

売る人や売る値段を変えてみる

売る人を変えてみるのも、売上アップにつながる可能性があります。

例えば、女性用の化粧品を男性向けにして売ってみる場合ですね。販売からレンタルに変更することでも、必要とする人が変わるので売上アップにつながるかもしれません。他に企業向けの商品を個人向けとして販売するというのもありますし、その逆も、もしかしたら有効かもしれません。

売る値段を変える発想は、売上アップの施策の定番です。でも、ただ安売りしていては利益が削られるだけです。

1%割引で売るより、100人に1人が無料になるキャンペーンを実施した方が売上アップにつながることはよく知られています。どちらの場合でも、お店側は、売上の1%引きなのですが、消費者に与える影響は100人に1人が無料の方が大きいです。

また、商品を分割して販売するのも売る値段を変える手法の1つです。例えば、1玉200円で白菜を販売していたとします。これを2分の1にカットして、1つ110円で販売します。1玉買った方が安いけども、そんなに白菜はいらないという人は割高でも2分の1にカットされた白菜を選びます。4分の1カットも用意しておけば、一人暮らしの人にも売れる可能性が出てきます。

売る方法を変える

売る方法を変えるのも売上アップにつながる可能性があります。

テレビショッピングなどで、「今なら1つ購入するともう1つプレゼント」といったキャンペーンが行われていることがあります。同じものを誰が2つも買うのかと疑問に思うことでしょう。でも、この売り方は、とても効率的な営業方法なのです。

「1つ当たりの値段は半額になっているけど、2つもいらないという人」の中には、友人を誘って2つ購入する人がいます。この場合、顧客が勝手に営業してくれているのと同じです。

ねずみ講のような胡散臭いセールスではないですよね。テレビショッピングでは、ただ、「1つ買えば、もう1つプレゼント」と言っているだけです。1つを半額で売るより、まとめて2つ販売できるのですから、売る側にとっては在庫を減らすのに効果的です。

毎度毎度、もう1つプレゼントをやっていると飽きられるでしょうが、在庫がたくさんある場合には試してみる価値はあるでしょう。

売る目的を変えることが最も大きな効果を生む

劇的に大きな効果を得たい場合は、売る目的を変えることです。

売る目的は、儲けるためですが、それ以外の目的を付加することで売上アップを期待できます。社会貢献を目的にすることは、多くの消費者を納得させますから、売上の一部を寄付するとか、SDGsに取り組むとか、その商品の販売に社会的意義を持たせることを考えてみましょう。


野球場に行くのは野球を見るのが目的です。
電車に乗るのは目的地に行くためです。


これらは、今まで当たり前とされていたことです。でも、野球を見る以外に野球場に行く目的を作ったり、目的地に行く以外に電車に乗る目的を作ったりすれば、これまで見向きもしなかった顧客にサービスを提供できます。

他に売る目的はないかを模索することで、売上アップができるかもしれません。景気なんて良くならないんですから、景気が良くなるのを待つより、売り方の視点を変えて、これまでとは違った工夫をしてみる方が有意義ではないでしょうか。