ウェブ1丁目図書館

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通貨統合で金融政策ができなくなり国内経済が悪化するというのは本当なのか?

もしも、世界の通貨がドルに統合されたら、為替相場の変動を気にせずに生産できるのに。

そんなことを考えた経営者や財務担当者は少なくないでしょう。

製品を輸出しても、代金の決済時の為替相場円高になっていたら利益が減ってしまいます。だから、為替予約をして為替リスクをヘッジするわけですが、そうすると円安メリットを放棄することになるので、代金の半分だけしか予約をせずにおこうとか、いろいろと悩まなければなりません。

こういった経営者や財務担当者にとっては、通貨の統合は仕事が楽になるので喜ばしいことですが、通貨の統合が災いすることもあります。

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貿易は勝ち負けではないので国の国際競争力を論じても無駄

日本企業はこれまで輸出で高い利益を上げてきました。ところが最近は、輸出よりも輸入の方が多くなる貿易赤字になることがあり、このままでは日本の国際競争力が弱体化し、国民の生活水準が低下すると危惧する声が聞かれるようになっています。

貿易赤字は、簡単に言うと、海外から入ってくるお金よりも海外に出ていくお金が多くなる状態です。だから、貿易赤字が続けば、国内のお金の量が少なくなるので、国民の懐も寒くなり、生活水準を下げなければならないと言うわけです。

一見、正しいように思いますし納得のいく理論ですが、これって本当なのでしょうか?

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経済発展に必要な考え方は比較優位。見守ることと貿易障壁をなくすことが各国政治家の仕事。

自国の経済発展に必要なこと。

各国の政治家や経済学者が、日々考えていることの一つがこれではないでしょうか?地方議員の場合は、国を地域と読み替えて我が町の経済発展と言うでしょう。

経済発展には、様々な要素があります。金利、為替、税金などいろいろと思いつくでしょうが、僕が最も重要だと考えるのは比較優位です。前回の記事で紹介した伊藤元重さんの著書「はじめての経済学(上)」でも、リカードが唱えた比較優位について少し解説されていました。比較優位についてもっと詳しく知りたいと思うなら、下巻も一緒に読んでおくと良いでしょう。

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経済が自由競争下にあるから最良の製品・サービスが生まれ適正価格に調整される

自由競争。

この言葉を誰かが口にすると、強い者が弱い者から富を搾取し、富める者と貧しい者との格差が拡大すると主張する人が出てきます。それは果たして本当なのでしょうか?

では、国家が競争を制限し保護主義や計画経済を推進していけば、弱肉強食や格差の拡大が解消されるかというと、ソ連を代表する共産主義国の崩壊を見れば、そのようなことはないことがわかります。

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ビットコインと牛乳瓶のフタは同じだ

最近、仮想通貨のビットコイン関連のニュースを見る機会が多くなっています。多くなっていると言っても、毎日のように報道されているわけではないのですが、ビットコインの価値が跳ね上がりだした2013年夏以降、話題になることが多くなりましたね。

ビットコインは、日本銀行のような中央銀行が管理をしていないのが特徴的で、利用者が、その価値を信頼している間は、円やドルなどの通貨と同じように商品を買ったり、サービスの決済で使用できます。でも、中央銀行が存在しない状況での貨幣の流通は、中央銀行が存在している場合よりも、信用が失われて流通しなくなる危険性が高いような気がするんですよね。

それは、まるで、昭和の小学生が牛乳瓶のフタを集めるのに飽きてしまうかのように。

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