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ウェブ1丁目図書館

読書で得ること感じること。ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。

靖国参拝は批判されるけど八幡神社に参拝しても文句が出ないのはなぜ?

日本史

閣僚が靖国神社に参拝すると、国内国外問わずたくさんの批判を受けますよね。あそこにはA級戦犯が祀られているのに首相や大臣が参拝するのは、戦争を肯定していることになるというのが、文句を言う人の考え方です。

A級戦犯が祀られている靖国神社に参拝すべきではないという考え方を持つことは結構でしょう。でも、そういう考え方を持っているのなら、当然、靖国神社に参拝しないのと同様に八幡神社へも参拝しないんでしょうね。

全国に1万社以上ある八幡神社

八幡神社は全国に1万社あるとも2万社あるともいわれています。正確な数はわかりませんが、その数はとにかく多く、全国各地にあります。八幡神社に祀られているのは、応神天皇神功皇后(じんぐうこうごう)、比売大神(ひめのおおかみ)です。

応神天皇は、その実在が確認されている天皇で、それ以前の天皇は神話の世界、応神天皇からが史実の世界の天皇とされています。そして、神功皇后応神天皇のお母さんです。

八幡神社の始まりは九州の宇佐八幡で、その後、石清水八幡宮鶴岡八幡宮などに分霊が祀られ、時間をかけて、その数は増えていきました。おそらく、47都道府県すべてに八幡神社はあるでしょう。

靖国参拝を否定しておいて、八幡神社に初詣などで訪れる人たちは、きっと祭神の神宮皇后のことを何も知らないのでしょう。もしも神宮皇后がどういった神様なのか知っていれば、八幡神社に参拝しないはずです。

神宮神功皇后新羅征伐

先ほども述べましたが、神功皇后は、応神天皇のお母さんで、仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)の妃です。「知っておきたい日本の神話」という書籍に神功皇后についての記述があるので、それを参考に簡単に解説します。

仲哀天皇は、朝廷に反旗を翻した熊襲(くまそ)を討つために九州に赴きました。そして、武内宿禰(たけしうちのすくね)が熊襲征伐の成否を問うために神託を得ようとします。すると、神功皇后が神懸りし、神託を得ることができました。

神功皇后に乗り移った神は、西の方の国にはたくさんの財宝があるので、その国を服従させてあげようとお告げします。それを聞いた仲哀天皇は、九州の西は海なのにそのような国があるはずはないと思い、琴を弾く手を止めてしまいます。すると、天罰が下り、仲哀天皇は亡くなってしまいました。

神の霊威の凄まじさを目の当たりにした武内宿禰は、再三に渡り、神託を求め、海の向こうにある朝鮮半島新羅遠征のための指示を仰ぎます。そして、神功皇后は、武内宿禰とともに朝鮮半島新羅征伐に向かいました。

神功皇后が乗った船は、船自身が立てた波に乗り、陸地の奥まで進み、新羅の国の中ほどまで達していました。これを見た新羅の国王は神功皇后に恐れをなし、以後、日本に服従することを誓い、毎年、たくさんの貢物を献上することを約束しました。

これが神功皇后新羅征伐です。

戦前の教育に影響を与えた神宮神功皇后

この話は、神話の話なので、史実ではないと言われています。しかし、神功皇后新羅征伐の話は、朝鮮半島を日本が統治することを正当化するために戦前の教育に利用されていました。

いわば、神功皇后は戦前の軍国主義の象徴だったのです。

靖国参拝を否定する人たちの考え方からすると、軍国主義の象徴である神功皇后を祀っている八幡神社に参拝することは、日本を再び軍国主義にしようとしていると批判する必要があるのではないですか?でも、毎年、お正月になると、たくさんの人が八幡神社に初詣に行くことに対して、神社の鳥居の前で拡声器を持ってデモを行っている人たちを見たことがありません。

これはどう考えてもおかしいですよね。

しかも朝鮮半島への出兵は、古代からたびたび行われており、聖徳太子天智天皇だって関わっているのです。それなのに聖徳太子ゆかりのお寺に参拝しても誰も文句を言いません。それどころか海外から法隆寺など聖徳太子ゆかりのお寺に旅行で訪れる人がたくさんいます。

古代、朝鮮半島南部には任那(みまな)という地域がありここに日本府がおかれました。しかし、任那は後に新羅に支配されてしまい、日本は朝鮮半島との交易ができなくなってしまいました。だから、古代の日本は、任那を取り返すべく、何度も朝鮮半島に出兵したのです。

最終的に古代の朝鮮半島への出兵は、天智天皇の時の白村江の戦いが最後となります。

この辺りのことについても、日本は侵略国家だという批判があっても良さそうですが、ニュースになることはありません。

八幡神社参拝に批判がない理由

神功皇后を祀っている八幡神社に大勢の日本人が、初詣に訪れるのに国内からも海外からも批判が出ないのは、八幡神社神功皇后が祀られていることを知らないからなのでしょう。それどころか、神功皇后が日本の神話でどのように描かれているのかも知らないのでしょう。さらに言えば、神功皇后の名すら知らない人が圧倒的に多いのではないでしょうか。

こう考えれば、八幡神社参拝を批判する人がいない謎が解けます。

そして、靖国参拝を批判している人たちも、何も知らなかったのにマスコミの報道で知ったことだけを理由に批判しているのでしょう。要は誰かが言ったことやその人の考え方をうのみにして騒いでいるだけなのです。

八幡神社は武運長久のご利益を授けてくれる神社なのだから、そこに大挙して参拝する方が、軍国主義に向かっていると批判されなければならないはずです。でも、八幡神社に参拝している人は誰も日本が軍国主義になって欲しいなんて願っていません。初詣に八幡神社を訪れるのは、それが地元の文化として定着していること、今年一年、幸せでありますようにと願ってのことなのです。

靖国神社に参拝する人だってそうです。首相や閣僚が、靖国参拝後に戦争という悲惨なことが二度と繰り返されないようにという気持ちを言葉にしていますよね。きっと本心でそのように言っているはずです。


靖国参拝を批判して八幡神社への参拝を批判しないのは、単に歴史を知らなかったり、文化に対する理解がないだけです。政治利用を企んでいるといった理由もありそうですね。

知っておきたい日本の神話 (角川ソフィア文庫)

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