ウェブ1丁目図書館

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ビタミンCの大量摂取はストレスにもウイルスにも打ち勝つ

人間は、なぜ、食事をしなければ生きていけないのか?

その質問に簡単に答えるなら、人体を構成する成分を食物から摂取するためとなります。人間の体は、自らの力で様々な成分を合成する能力を持っていますが、合成不可能な成分もあります。それら、人体が合成不可能な成分は、食事から摂取するしかなく、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルは食事から必ず摂取しなければならない栄養素とされています。

この中で、ビタミンは少量の摂取で事足りる栄養素なのですが、ビタミンCだけは大量摂取が望ましいです。

ビタミンC不足と壊血病

ビタミンCの1日に必要な摂取量は、100ミリグラムとされています。

ビタミンCが欠乏すると、壊血病を発症しますが、1日に100ミリグラムを摂取しておけば壊血病を予防できます。

分子栄養学を提唱する三石巌さんは、著書の「ビタミンC健康法」で、ビタミンCの大量摂取を推奨しています。

壊血病は、その昔、船乗りが長期航海中にビタミンCを摂取できなかったことで発症した病気だということは有名です。壊血病になると、歯茎からの出血が見られ、そのままビタミンCを摂取しない状態が続くと、やがて死にいたります。ビタミンCは、この壊血病を克服するために発見された栄養素であり、現在も、壊血病予防に必要な量のビタミンC摂取が推奨されています。その推奨量が100ミリグラムです。

しかし、ビタミンCは、ただ壊血病の予防のためだけに必要な栄養素ではありません。若々しい肌を保つために女性が摂取しているコラーゲンも、体内で合成するのにビタミンCが必要です。風邪やインフルエンザなどのウイルス感染の予防にもビタミンCは関わっていますし、ストレスを緩和するために副腎から分泌されるコルチゾールやコルチゾンというホルモンの合成にもビタミンCは必要不可欠です。

その他にも、ビタミンCは、体内で様々な働きをしています。壊血病予防だけの摂取量100ミリグラムでは、徐々に体内のビタミンCが不足していきます。

コラーゲン合成

コラーゲンは弾力性に富むタンパク質です。

プルプルのお肌を維持するためには、コラーゲンが必要になりますが、それを食べたからと言って体内でコラーゲンが合成できるわけではありません。タンパク質は、20種類のアミノ酸の組み合わせでできており、コラーゲンも様々なアミノ酸の集合体です。

肉でも卵でも、タンパク質を食べればアミノ酸まで分解されて小腸から体内に吸収されます。そして、体内では、必要なタンパク質を作るためにアミノ酸を組み合わせていきますが、コラーゲンを合成するためにはビタミンCが必要です。したがって、ビタミンCを摂取せずにコラーゲンばかりを食べていても、ただアミノ酸に分解されるだけで、体内で再びコラーゲンを作り出せません。

お肌の美容と健康を維持したいなら、高タンパクな食事を心がけることはもちろんですが、ビタミンCも多く摂取しなければならないのです。

また、コラーゲンは傷を修復するためにも必要ですが、もちろんビタミンCがなければなりません。さらに骨の一部もコラーゲンでできていますから、強い骨を作るためには、カルシウムだけでなくビタミンCをしっかりと摂取することも重要となります。

現代のストレス社会ではビタミンCの消費量が増える

現代社会は、ストレス社会です。職場でのいじめやパワーハラスメントが問題になっていますが、被害者はもちろん加害者もストレスを抱えているから、このような問題が起こるのではないでしょうか。

ストレスの緩和にも、ビタミンC摂取が必要です。

人間は、ストレスを感じると、副腎からコルチゾールやコルチゾンといった副腎皮質ホルモンを分泌します。これらホルモンは、ストレスを緩和する作用があります。

副腎皮質ホルモンの合成にもビタミンCは関わっています。ストレスに晒され肥大化した副腎では、ビタミンCの大量消費が起こります。つまり、ストレスに晒される機会が多い現代人の副腎では、常にビタミンCが消費されており、十分量を摂取していなければ体内のビタミンCが減っていきます。壊血病を予防できる程度のビタミンCでは、ストレス社会で生きていくのが困難なのです。

部下にパワハラをしてストレスを解消している人は、自身の副腎皮質ホルモンの合成量が減っているかもしれないと思わなければなりません。宴会で部下に嫌がらせをする前にビタミンCを大量摂取しましょう。

なお、副腎皮質ホルモンの合成にはコレステロールが必要です。コレステロールは体内で合成できますが、合成過程で活性酸素が発生するので、細胞を傷つける原因となります。だから、コレステロールは自前で合成するよりも、外から調達すること、すなわち食事から摂取することが好ましいと言えます。

ウイルス感染の予防にもビタミンC

冬になると、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症が流行します。

そのため、インフルエンザが流行する前にワクチンを接種して予防している人もいるでしょう。しかし、インフルエンザウイルスは、香港型、A型、B型など、その年によって種類が異なり、風邪の原因となるライノウイルスも70~80種類あるので種類別に対策するのは困難です。

ウイルスが体内に侵入すると、自身のDNAやRNAを宿主の細胞内に注入してきます。すると、細胞は、DNAやRNAの遺伝暗号の解読を始め、新たなウイルスを作り出してしまいます。細胞内で大量に作られたウイルスは、細胞を破壊して外に出てきます。そして、他の細胞にもDNAやRNAを注入し、次から次に細胞を破壊し、やがて宿主を死に追いやります。

しかし、ウイルスの侵入を許した宿主も、黙ってはいません。ウイルスを破壊するための抗体を作り、やがて反撃を開始してウイルスをやっつけます。

また、ウイルスの増殖を防ぐためにインターフェロンも生産されます。ウイルスに感染した細胞は、インターフェロンを作り、周囲の細胞がこれを摂り込みます。インターフェロンを持つ細胞は、ウイルスのために働かなくなるので、速やかにインターフェロンが生産されればウイルス感染による重症化を防ぐことが可能です。

このインターフェロン合成にはタンパク質が必要になりますが、ビタミンCもなくてはなりません。したがって、ウイルス感染にも、ビタミンCの大量摂取が有効となります。ただし、インターフェロンの働きから考えれば、ウイルスの侵入を許した早期にビタミンCの大量摂取が重要となります。しかし、いつウイルスに侵入されたかを把握するのは難しいです。だから、日頃からビタミンCの大量摂取を心がけるべきなのです。

さらにビタミンCそのものにも、ウイルスをやっつける作用があります。試験管内にウイルスとビタミンCを入れて混ぜるとウイルスをやっつけることができたという実験結果があります。試験管内には、インターフェロンはないので、ビタミンCがウイルスを直接やっつけたと考えられます。

ビタミンCは、様々なウイルスに効果を発揮します。だから、ビタミンCを大量摂取しておけば、わざわざウイルスの種類に応じた対策をする手間も必要ありません。

ビタミンCをどれくらい摂取すれば良いの?

ビタミンCの様々な働きを見てきましたが、では、どれくらいの量を摂取すれば良いのでしょうか?

その答えは、「個人差があるので人によってビタミンC摂取量は異なる」となります。

カスケード理論や確率的親和力という言葉で説明されますが、一言で言うと、ビタミンCの利用の仕方は人により得意分野と不得意分野があるということです。

ある人は、ストレスに強いけども風邪をひきやすい。またある人は、風邪はひかないけども、肌が荒れやすい。

同じ量のビタミンCを摂取していても、使われる優先順位や利用効率の違いから、このような差が生まれると考えられています。要は、得意分野には多くのビタミンCが使われ、不得意分野に行きわたるビタミンCの量は不足しやすく、それは人によって違いがあるということです。

また、同一人でも、状況によってビタミンCの要求量は変わってきますから、1日に何グラムと決めることはできません。

ビタミンCの摂取量の一つの目安として、便通があります。ビタミンCは摂取し過ぎると下痢になります。つまり、下痢になったところで、自身のビタミンC要求量を超えたことを意味します。だから、お腹が緩くなってきたと感じる量が、その時の体のビタミンC要求量と推測できます。

僕も、ビタミンCの大量摂取を試みましたが、10グラムを超えると軟便になりました。僕の平常時の1日のビタミンC要求量は10グラム前後ということですね。


グラム単位でビタミンCを摂取することは、食事からは不可能です。サプリメントやL-アスコルビン酸の粉末を利用しなければビタミンCの大量摂取はできません。

普段からビタミンCをたくさん摂取するのは苦痛だと言う方は、風邪やインフルエンザが流行し始めた時でも、ビタミンCを大量摂取しておきましょう。

ビタミンC健康法 (健康基本知識シリーズ2)

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