ウェブ1丁目図書館

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自動車保険などの損害保険は自分が加害者になった時の補償額を無制限にする

「もしも、大怪我をしたり大病を患ったりしたら、高額の治療費を負担しなければならないので家計が破綻するかもしれない。だから、医療保険に加入しておこう」

そう思って医療保険に加入する方が多いと思います。でも、健康保険には、高額療養費制度があるので、意外と自己負担しなければならない医療費は少なくて済みます。また、生命保険にも加入しておかないと不安だと言う方もいますが、こちらも、あなたが亡くなった後、家族の生活の見通しが立てば高額な保障を付ける必要はありません。

生命保険も医療保険も、自分のために加入するものです。したがって、自分が我慢すれば加入しなくても良いですし、保障額を少なくする選択も可能です。

しかし、他者への損害賠償が発生した場合には、そうはいきません。

損害保険は自分が加害者になった時に役立つ

日々の生活の中で、誰だって、自分が加害者になる可能性はあります。

「悪いことをしないから大丈夫」と思うかもしれませんが、そういう方こそ危険です。故意に他人にケガをさせたり、モノを壊したりした場合にだけ自分が加害者になるのではありません。偶然の事象やちょっとの不注意でも、自分が加害者になることを忘れてはいけません。

自動車事故はちょっとした不注意でも起こります。自転車に乗っている時も同じです。歩いている時につまづいて、前の人にぶつかって怪我をさせることもあるでしょう。

このような事故は、故意でなはなく、偶然や軽過失で発生したものです。そして、故意ではないから損害賠償責任を負わなくて良いとはなりません。

偶然や軽過失による事故を防ぐためには、自動車に乗らない、自転車に乗らないといった選択があります。もっと言えば、外出しなければ、自分が偶然に加害者になる危険性を大きく軽減することが可能です。しかし、外出せずに生活するのは困難ですから、このような選択は非現実的です。

また、自宅にいても、マンションの上層階に住んでいれば、洗濯中の水漏れで下層階に迷惑をかけることだってあり得ます。

このように誰だって、程度に違いはあるものの、加害者になる危険があるのです。

そして、自分が加害者になった時に相手の損害を補償するために加入するのが、損害保険の目的の一つです。

自動車保険の対人・対物補償は無制限にする

金融デザイン株式会社と株式会社さくら事務所の共著「損害保険を見なすならこの1冊」は、2011年の初版から改訂を続けている書籍で、損害保険の見直しだけでなく、これから損害保険に加入する人にもわかりやすく、損害保険の目的や補償内容を解説しています。

損害保険には、自動車保険、火災保険、地震保険、個人賠償責任保険など多くの種類がありますが、同書は、ほとんどの損害保険の内容が網羅されています。

自動車事故を起こさないためには、自動車に乗らないのが最も効果的です。しかし、通勤で自動車を運転しなければならない、バスや電車などの公共交通機関が発達していない地域に住んでいるので自動車は必須という方の場合、自動車を運転しないとい選択をできません。

このような方は、必ず自動車保険に加入する必要があります。

任意保険は事実上強制加入

自動車保険には、強制加入の自動車賠償責任保険(自賠責保険)と任意加入の自動車保険があります。自賠責保険に加入しておけば任意保険は必要ないと思っている方もいますが、自動車保険の場合は任意保険でも強制加入と考えるべきです。

任意保険に加入しなければならないのは、自賠責保険の最高補償額が3千万円までだからです。3千万円を超える損害を被害者に与えた場合、超過額は自己負担となります。もしも、5千万円の損害を与えた場合、2千万円が自己負担です。このような高額な損害賠償を支払うのは、ほとんどの人にとって経済的負担が大きいです。だから、任意保険にも加入しておかないといけません。

安全運転をしていれば、事故を起こしても大きな損害を与えることはないと思うのは大間違いです。なぜなら、同じような自動車事故でも、被害者が誰かによって発生する損害が変わるからです。

例えば、会社員に後遺障害を負わす交通事故を起こした場合には3億円を超える損害賠償が発生しています。3億円でも、ほとんどの人が支払えない金額ですが、眼科開業医を死亡させる交通事故の場合は5億2千万円を超える賠償金の支払いが裁判で言い渡されました。

また、民家に自動車をぶつけた場合と店舗に自動車をぶつけた場合でも、損害賠償額が変わります。店舗にぶつけた場合には、店舗を修理する費用の他に営業できなかった期間の利益も補償しなければなりません。したがって、民家にぶつけた場合よりも店舗にぶつけた場合の方が賠償額が高くなります。

このように自動車事故は、被害者が誰かによって損害額が変わります。そして、自動車事故を起こす場合、被害者を選ぶことはできません。

だから、任意保険の対人賠償責任保険と対物賠償責任保険は、保険金額を無制限に設定しなければなりません。

個人賠償責任保険は自転車保険にもなる

他人に被害を与えるのは自動車事故だけではありません。自動車に乗らなくても危険はいっぱいあります。特に何かしらの道具を使う場合には、事故が起こりやすいものです。

自分が他人にケガをさせたら治療代を負担しなければなりません。他人の所有物を壊したときには、弁償しなければなりません。

このような日常生活で発生した賠償金を補償してくれる損害保険に個人賠償責任保険があります。

近年、急増している自転車事故では、9千万円を超える賠償金の支払いが裁判で言い渡された事例があります。自転車とは言え、被害者が死亡した場合には、自動車事故と同じくらい高額な賠償金が発生することもあります。

自転車も自動車と同じように安全運転をしなければなりません。でも、誰にだって不注意で事故を起こす可能性はあります。もしも、自転車事故を起こした場合でも、個人賠償責任保険に加入していれば、高額な賠償に備えることができます。

個人賠償責任保険は、火災保険や自動車保険のオプションとして加入できます。しかも、保険料は年間2千円程度で、最高補償額が1億円というものが多いです。クレジットカードのオプションとしても加入できます。

これだけ安い保険料で加入できるのですから、自転車を運転している方は、個人賠償責任保険に加入することをおすすめします。

自分が被害者になった場合に役立つ弁護士費用特約

損害保険の特約には、様々な種類がありますが、弁護士費用特約は付けておきたい特約です。

弁護士費用特約は、自分が被害者になった場合に弁護士費用を補償してもらえます。何かしらの事故に遭った場合、加害者と交渉しなければならない項目がいくつもありますが、素人では何をどう交渉すれば良いのかわかりません。

加害者側の保険会社の担当者に言われるまま、保険金を受け取った場合には、それだけで損害を回復できないかもしれません。でも、こちらも弁護士を付けて交渉すれば、保険会社の提示した金額よりも多くの賠償金を受け取れる可能性が高まります。

弁護士費用特約は、年間2千円程度の保険料で付けることができますから、入っておいた方が良いでしょう。

インターネットで調べる前に読む

最近は、インターネットが発達し損害保険の情報を無料で入手できるようになりました。

だから、インターネットの情報だけで損害保険に加入する人が増えていますが、まずは書籍を購入して損害保険の内容を理解することをおすすめします。

インターネットで検索する場合、検索する単語を知っていなければ調べようがありません。個人賠償責任保険を知らなければ、「個人賠償責任保険」のキーワード検索はできません。

また、インターネットの情報は古い場合もありますし、間違っている場合もあります。その点、書籍であれば、いつ出版されたかを見れば情報の鮮度がわかりますし、間違っている可能性もインターネットの情報よりは低いです。

損害保険でも生命保険でも、保険料は高額となりますから、まずは書籍で勉強してから契約しましょう。インターネットは、書籍を読んだ後にもっと詳しく用語を知りたい場合に利用した方が良いです。