ウェブ1丁目図書館

ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。なお、当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。

宗派で異なる通夜の焼香の作法。遺族に不快感を与えないために覚えておきたい。

人生において通夜や告別式に参列する機会は、ほとんどの方に訪れます。

年齢を重ねていくと次第に参列する回数が増えていきますが、20代や30代では、そんなに頻繁に通夜や告別式に参列する機会がありません。なので、通夜や告別式の作法がよくわからないという若い方が多いはずです。

いえ、それ以外の年代の方でも頻繁に通夜や告別式に参拝しないので、おそらく、日本人の半分以上が作法をよく知らないはずです。

一般的な抹香の作法

さて、通夜と告別式だと、どちらに多く参列しているか人によって違うと思います。僕の場合は、通夜の方が多いですね。

通夜に参列すると、必ず行うのが焼香です。そして、焼香でも線香ではなく抹香の場合が多いです。

抹香の作法については、武光誠さんの「知っておきたい日本の仏教」で簡単に解説されていますので、一般的な作法を紹介しておきます。

  1. 祭壇前で一礼。弔問客はその前に遺族側に一礼。
  2. 焼香台の前で合掌、低頭する。
  3. 親指、人差し指、中指で抹香を取る。
  4. 額に抹香をおしいただく。浄土真宗ではやらない。
  5. 抹香を香炉にくべる。2~3回行う時は、3と4を繰り返す。
  6. 合掌、低頭の後、一礼して下がる。


一度でも、通夜に参列したことがある方は、上記のように抹香を行ったと思います。初めてだと前の人がやっていたのを見よう見まねで焼香をしたのではないでしょうか?とりあえず、上記のように焼香をすれば、大きな間違いを犯すことはありませんが、より遺族に不快感を与えないようにしようと思うなら、宗派ごとの抹香の方法を覚えておくのが良いですね。

宗派ごとの焼香の作法

仏教には、さまざまな宗派があります。

宗祖が誰かといったことは、ここではひとまず置いておき、まずは宗派ごとの焼香のやり方を覚えておきましょう。

真言宗

抹香を用いる焼香を三度続けて行います。これは三毒という3つの煩悩を払うことを意味しています。

浄土真宗

本願寺派の場合は、抹香による焼香を一度だけ行います。大谷派は二度行います。


浄土真宗以外は、とりあえず3本の指で取った抹香を額に押しいただく方法を3回繰り返せば問題なさそうです。浄土真宗だけは、抹香を額に押しいただかず、3本指で取った抹香をそのまま香炉にくべます。本願寺派なら1回、大谷派なら2回なので、間違えないようにしましょう。

通夜の参列寺は準喪服でも大丈夫

さて、通夜に参列するときは喪服を着用しなければなりません。

喪服には、正喪服と準喪服がありますが、基本的に社会的地位の高い人の葬礼でなければ準喪服でも良いとのこと。なお、準喪服は以下の服装です。

男性の準喪服は黒のスーツである。女性の準喪服は三つ紋や一つ紋の紫、藤色、えび茶、グレーなどの色無地の和服か、スーツ、ワンピースで黒、濃紺、グレーなどのものである。
(143ページ)

とりあえず社会人になったら、黒のスーツを1着持っておくと良いですね。

ちなみに喪服が黒になったのは約100年前だそうです。それまでは白喪服が一般的だったのですが、戦時中に絹製の白無垢が不足したため、黒喪服が用いられるようになったとか。

したがって、白いスーツで通夜に参列しても、我が国の伝統からするとあながち誤りとは言えませんが、戦後も白喪服が復活せず黒喪服が定着しているので黒喪服で参列すべきですね。戦前は白喪服だったことを知らない人が、不快に感じることもあるでしょうから、白喪服は理由がない限り避けるのが無難です。

法要に招かれたとき

告別式が終わった後は、節目節目で法要が執り行われます。

法要を開く側は、出席してくれる人を選んで招待状を出さなければなりませんが、大して親しくない人の立場からするとあまり招かれたくないものです。なので、法要に招待する人は親しい人に限定すべきです。

招待状を受け取った側は、出席欠席に関わらず、できるだけ早く返事をしましょう。法要を開く側は、会食や引き出物の準備がありますからね。また、欠席の場合には、欠礼のハガキを出すほかに電話や手紙で遺族に故人をしのぶ言葉を伝えるのが良いようです。

法要に出席する場合は、通知を受けた本人1人か代理がつとまる者1人で出席します。親しい親族なら夫婦で出席、喪主以外の故人の子供は家族全員で出席するのが礼儀です。供物料や御仏前は、食事代や引き出物を合わせた金額を目安に1万円程度持参します。

服装は、七七日忌までの法要は喪服、それ以外は、男性はダークスーツ、女性は地味めのワンピースやスーツを着用します。


通夜や法要の際は、遺族に不快感を与えないように少しくらいは作法や礼儀を知っておきたいですね。