ウェブ1丁目図書館

読書で得ること感じること。ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。

人生を充実させるインプットはネットの無料情報では困難

現代の日本社会は、情報があふれかえっています。テレビやインターネットの出現で、日本人は、それまでには想像もできなかった大量の情報を日常的に仕入れられるようになりました。

こちらが意識しなくても、情報から勝手にやって来て、いつの間にか頭の中に入っているのが当たり前となっています。だから、現代日本人は、誰もが知識人のはずです。

ところが、知識を整理してみると、あれだけ大量の情報のシャワーを浴びていながら、身になっていないことに気づきます。いったい、なぜ、大量に浴びた情報が知識にならないのでしょうか。

基礎知識の欠落

多くの情報に接しているといっても、それらが知性として身になるかどうかは別の問題です。情報そのものが間違っていることもありますし、良い情報でも、それを理解する力がなければ知性として役立てることができません。

作家の佐藤優さんは、著書の『調べる技術 書く技術』で、「インプットとアウトプットの両輪がそろうことで、得た情報が自分の知識になり、教養になる」と述べています。ただ、漫然と情報をインプットしていただけでは何も身につきません、アウトプットも同時に行うことで、本当の教養が身につくのです。

しかし、インプットなくして、アウトプットはできません。だから、まずはインプットに力を入れる必要があります。

インプットの基本は、読むこと、つまり読書です。日々入ってくる情報を処理できるようになるためには、まず読書によって基礎知識を得なければなりません。佐藤さんは、高校レベルの学力を基礎知識と述べています。確かに高校レベルの学力があれば、多くの情報を理解できるでしょう。新聞を読んでいて、内容を理解できない場合は、高校レベルの知識が備わっていないと考えられます。

だから、まずは、高校の教科書から読み始めることを佐藤さんはすすめています。基本は、日本史A、世界史A、政治経済、数学Ⅰ・Aの教科書とのこと。さらに理系科目についても、勉強しなければなりませんが、これらは講談社ブルーバックスを活用するのもありです。

読書が自分の知識にならない場合

本を読んでも、内容を覚えられなかったという経験は誰にでもあると思います。

その場合、最初に考えられるのが、先ほど述べた基礎的な知識や教養が欠落していることです。大人になると、高校時代に習ったことなどすっかり忘れてしまうことが多いです。それを自覚していると、高校レベルの学力をもう一度身につけようと努力するでしょう。

本の内容が覚えられない理由としては、読書の技法が磨かれていないことも考えられます。読書の技法は、ノートを使うなど工夫することで身についていきます。

また、自分のレベルを超える本を読んでいる可能性も考えられます。一段一段、階段を上っていくようにしか身につかない知識もあるので、焦ることなく入門書から入って、ちょっとずつ難易度の高い本を読んでいくようにしましょう。僕も、自分の知識を超える本を読んで、失敗したことが何度もあります。その場合は、もっと簡単な本を買って読み、再度、難しい本を読むようにしています。

厄介なのは、選んだ本そのものに問題がある場合です。内容が論理破綻していて、読者が混乱する本です。こういった本は、読書を続けていれば、基礎的な知識が身につくので、やがて選ばなくなります。著者の経歴を調べたり、ページをパラパラとめくって内容を軽く読んでから、買うかどうかを判断するのも一つの手です。目次に目を通すだけでも、「なんか変だぞ」と気づくこともあります。

ネットの使い方

現代の日本人が情報過多になっている最大の原因は、インターネットでしょう。ネットは便利であるものの、中毒性があり、いつの間にか無駄な時間を使わされてしまう危険があります。

そのような時食い虫のネットですが、上手に使うことで、良質なインプットが可能となります。佐藤さんは、ネットでの情報収集の基本として、NHK NEWS WEB、新聞のウェブ版、有料の辞書サイトであるジャパンナレッジを挙げています。

ネットでの情報収集は、キーワード検索がすぐに思いつきますが、これは非効率です。その理由は、検索結果に表示されたページは玉石混交であり、その中から本物の情報を探し出すのに時間がかかるからです。フェイクニュース陰謀論に引っかかる可能性もあります。特にグーグルは、技術が進歩しているようですが、日に日にユーザーの意図しないページばかりが検索結果に表示されるようになっています。ウィキペディアは、それなりに参考になるものの、内容を深く知りたい場合には不向きです。

また、SNSも無駄に時間を消費するだけであり、意味のあるインプットには役立ちません。LINEのようなメッセージツールも、貴重な時間を食われるだけですから、メールを活用しましょう。

無料のネットで何かを学ぼうなどと思わないことです。ネットは、娯楽のための道具だと割り切りましょう。


佐藤さんは、知的生産によって人生を充実できると述べています。知的生産力は、インプット、アウトプット、そして、コミュニケーション力を高めることで磨くことができます。これらの中で、インプットは、今すぐにでも始められます。

何からインプットを始めたら良いのか、そのような疑問を持つ方は、自分の仕事に直結する本を読みましょう。仕事に直結しない技能は、人間性を高めることになるかもしれませんが、それは後回しにします。

そして、ネットの無料情報だけで、身になるインプットをするのは非効率ですから、可処分所得の1割程度をインプットのために使いましょう。