ウェブ1丁目図書館

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食事の目的は生体内での物質交代

食事の目的。その認識は人によって異なっています。

美味しく食べる、楽しく食べる、そういった娯楽的要素を食事の目的と捉える人もいるでしょう。また、単に生きていくために必要だから食事をすると言う人もいるはずです。おそらく、食事の目的を問われた時には生命活動の維持に欠かせないからと答える人が多く、毎日絶対に必要な行為なのだから美味しく楽しく食べるようにしたいと思っているのではないでしょうか。

食事なしに人間は生きていけません。必須の栄養素の補給があってこそ生体を維持できます。

病気の予防は食生活の問題

病気になれば病院に行って何らかの治療を受けます。苦しい病気であれば二度とかかりたくないと思いますから、生活習慣を変えるに違いありません。

病気の予防のために大切な生活習慣の改善に食生活の見直しがあります。分子栄養学を提唱する三石巌さんは、著書の「からだの中から健康になる長寿の秘密」で「病気の予防は、医学でなく食生活の問題」だと主張しています。

三石さんによると、生命現象を対象とする科学には分子生物学と量子生物学があり、これらの理解なしでは病気の理解も不完全になるとのこと。そして、病気が生体の物質過程であることを認識する必要があるとも述べています。

生体で物質交代が行われていることは、誰でも知っている。生体を構成する組織も流動する物質も、すべては間断なく新旧交代している。皮膚では古い細胞がはがれ落ちて、新しい細胞と交代し、心臓では細胞内や細胞間の物質が分解して、新たに合成した物質と交代する。前者を細胞回転といい、後者を代謝回転という。
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人間も含めて生物の体の中では、常に物質の交代が行われています。古くなった細胞は新しい細胞と交代することで生命は維持されます。

古くなった細胞が新しい細胞と取り替えられずにいれば、体に不具合が起こるのは当たり前。生体内での物質と物質の選手交代が行われなくなった時に生じるのが病気なのです。したがって、病気を予防するためには物質交代が速やかに行われるようにする必要があります。そして、物質交代を速やかに行うために欠かせないのが食事なのです。

ダイエットは死を早める

人間の体は様々な物質からできていますが、三石さんは特にタンパク質の補給が重要だと述べています。細胞はタンパク質からできていますから、元気な細胞を維持するためにタンパク質をしっかりと食べなければならないことは簡単に理解できるでしょう。

しかし、世の中には、タンパク質の補給を疎かにしている人がたくさんいます。それは、ダイエットに取り組んでいる人たちです。

太るのは肉や卵などの動物性食品の食べ過ぎが原因だと勘違いして、これらを食卓から減らす行為は生体内で必要な物質交代を阻害します。ダイエットをしている人の中にはタンパク質の重要性を知っている人も多いです。しかし、タンパク質の補給がアミノ酸組成の極めて悪い安価な液体プロテインだと、体内でのタンパク質合成が失敗します。このタンパク質合成の失敗の積み重ねが老化だと言えるしょう。

そもそも、ダイエットを無駄な脂肪の除去と考えるなら、しっかりとタンパク質を摂取しなければなりません。

科学的に考えれば、肥満は皮下脂肪過多によるのだから、これらの処理が唯一の方法であるはずだ。脂肪は燃焼によってとんでしまう。したがって、その方法を考えればいいのである。
体内の脂肪の燃焼は低温で起こる。そのとき、酵素の登場が要求される。酵素はタンパク質なのだから、ダイエットのためには高タンパク食が必要という結論になる。そして、一方において脂肪の材料になる糖質の制限を行うことにすればいいのだ。
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動物性食品を避ければ低タンパク質食になりがちです。また、植物性食品を多めに食べる食事は高糖質食になりやすいです。脂肪を減らすために大切なのは高タンパク質低糖質食なのですが、肉や卵を避けていると低タンパク質高糖質食に陥りやすく、それが体に脂肪がつく肥満の原因となるのです。

生体維持にはタンパク質が必要なのですから、低タンパク質食にならないようにすることが健康のためには大切です。

活性酸素対策にスカベンジャー

生体維持に必要なのはタンパク質だけではありません。生体は常になんらかのダメージを受けていますから、そのダメージを減らすことや傷の修復も必要です。

生体に慢性的にダメージを与えている物質に活性酸素があります。酸素を吸ってエネルギー産生を行っている人間は、活性酸素から逃れることはできません。

しかし、活性酸素を放置していると、体を構成している原子から電子を奪われ分子が壊れてしまいます。まるで、レンガ造りの建物から1ヶ所だけレンガを抜き取るようなものです。何ヶ所もレンガを抜き取られたら、いつか建物は崩れるでしょう。それと同じで、生体を構成している原子から電子が抜き取られ続けると不完全な細胞の数が増えてしまい、生体維持が難しくなります。

活性酸素が悪さをするのを防ぐのはスカベンジャーです。スカベンジャーとは掃除をする人のことであり、その役割を担っている物質はたくさんありますが、代表的な物はビタミンA、C、B₂、Eです。必須アミノ酸ならメチオニンヒスチジントリプトファンがスカベンジャーとなりますし、植物性食品に多く含まれているカロチノイド、フラボノイド、ポリフェノールもスカベンジャーとして働きます。

スカベンジャーは、活性酸素が正常細胞から電子を奪うのを守ってくれます。つまり、身代わりとなって活性酸素に電子を差し出してくれるのがスカベンジャーなのです。

ビタミンCやB群といった水溶性ビタミンは、合成でも天然でも分子構造が同じなのでどちらから摂取しても問題は特に起こらないと考えられます。ただし、ビタミンAのような脂溶性ビタミンは、天然と合成で分子構造が異なるので、合成品の過剰摂取に注意しなければなりません。

また、食品添加物の摂取でも活性酸素が発生しますが、三石さんによれば、スカベンジャーをしっかりと補給していれば恐がり過ぎる必要はないようです。

食品添加物がこわい、医薬品がこわいと思わない人はいないだろう。だが、これらがこわいのは、じつは活性酸素の存在があるからだ。この種の異物は肝臓の解毒作用の対象となる。その解毒作用がこわいのだ。というのは、解毒の過程で活性酸素が発生するからである。
この事実は、スカベンジャーを十分に摂っていれば、食品添加物もへっちゃらであることを意味する。私が無農薬野菜をありがたがらない理由の一つはここにある。
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活性酸素はガンの原因ともされていますが、日々のスカベンジャーの摂取でその害を減らせばガンに罹患する危険性が下がるかもしれません。ちなみに三石さんは、「確実な発ガン物質としてこわいのは、抗ガン剤と免疫抑制剤だけ」と述べています。

食事の目的を生体内での物質交代と位置づけるなら、三石さんが提唱する高タンパク質食とメガビタミン主義は理にかなった食事と言えそうです。

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