ウェブ1丁目図書館

読書で得ること感じること。ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。

ヤケドには皮膚移植?いやいや湿潤療法です。

沸騰したやかんのお湯を手にこぼしてヤケドした。

こんな時は、まず、水で患部を冷やすのが先決です。皮膚の表面が赤くなる程度のヤケドであれば、そのままにしておいても数日で治りますが、広範囲に水泡ができるようなヤケドの場合は、病院で治療してもらう必要があります。場合によっては、救急車を呼ばなければなりません。

もしも、重度のヤケドだった場合、医師から、このままだと細菌に感染して敗血症を起こし、死にいたるかもしれないから皮膚移植をしなければならないと説明されるかもしれません。

このような事態に遭遇した時、あなたなら医師のすすめに応じて皮膚移植を決断しますか?

ヤケドに皮膚移植は不要

ヤケドをし、医師から様々な説明を受けて皮膚移植をすすめられた場合、その医師の言葉は全て嘘だと思いましょう。

形成外科医の夏井睦さんは、著書の「患者よ、医者から逃げろ」で、皮膚移植をすすめる医者の説明は「全てインチキ、嘘である」と一刀両断しています。

「植皮しないで治した場合、皮膚のひきつれが起きて手足が動かなくなります」とか「植皮をするとヤケドがきれいに治ります」といった説明を受けて、皮膚移植を受けた患者は、治療の結果が説明内容とは真逆であることに大きなショックを受けることでしょう。

ヤケドをした部位は以前のようには動かなくなり、移植された皮膚を触っても何も感じなくなります。そして、移植した皮膚は周囲の皮膚とは色が違っているので、見た目の不自然さが残り、それが精神的苦痛になる人もいます。

どんなに深いヤケドでも、皮膚移植なしに治ります。しかも、傷のひきつれは滅多に発生しませんし、感染症で命を落とすこともありません。傷痕も、皮膚移植の場合よりも圧倒的に目立ちませんし、どこをヤケドしたのかパッと見ただけでは気づかないほどに回復することも稀ではありません。

ただし、そのように劇的に回復するためには、「なつい式湿潤療法」で熱傷治療しなければなりません。

熱傷専門医は湿潤療法を知らない

なつい式湿潤療法は、その名の通り夏井さんが提唱する湿潤療法です。一般には、湿潤療法として知られる傷やヤケドの治療法です。

湿潤療法であれば、劇的に傷もヤケドもきれいに治ります。当然、熱傷専門医も湿潤療法を知っていると思うでしょうが、どうも知らない熱傷専門医の方が多い状況のようです。特に大学病院のような大きな病院になるほど、熱傷専門医は湿潤療法で治療することはありません。

その理由を夏井さんは、大病院だと組織が大きすぎて治療法を根本から変えるのが難しいなど4つを列挙していますが、その中でも、湿潤療法の導入は病院の減収につながることが大きな問題になっているように思います。

ヤケドの治療のために皮膚移植をすれば、最大約40万円の収入が得られます。ところが、湿潤療法だと、大した収入を得られません。ヤケドを専門に扱っている病院ほど、皮膚移植から湿潤療法に移行したときの減収は大きくなります。湿潤療法の普及で閉鎖に追い込まれる病院も出てくるかもしれません。

湿潤療法は、ラップとワセリンさえあれば素人でもできてしまいます。患部にワセリンを塗り、ラップを貼って患部が空気に触れない状態を保てば、破壊された皮膚は再生していきます。ワセリンが無くても、ラップだけあればどうにかなってしまうのが湿潤療法です。その仕組みは、夏井さんの著書に書かれているので説明は省略します。

もちろん、広範囲のヤケドの場合は、医師の治療を受けた方が良いです。ただし、なつい式湿潤療法でヤケドを治療している医師に診てもらわないと、皮膚移植という拷問を受けることになります。

スマホが熱傷患者を救う

2007年にiPhoneが発売されると、インターネット接続はパソコンからスマートフォンへと移っていきました。

スマホの普及は、熱傷治療にも大きな影響を与えます。

スマホがなかった時代は、インターネットに接続するのが手間でした。ところが、スマホを誰もが持ち歩くようになってからは、カフェでも、トイレでも、電車の中でも、いつでもどこでも調べたいことを検索できるようになりました。

かつては、大きなヤケドをすると、大病院に救急搬送され皮膚移植を受ける流れが当たり前でした。しかも、大病院で使う熱傷治療用の外用薬は、悶絶するほどの痛みを伴うもので、これを患部に刷り込まれるのですから拷問としか言いようがありません。さらに患部に貼ったガーゼを外す時にも激痛を伴います。乾燥したガーゼが傷口にぴったりと貼りついているのですから、無理にはがすと、さらに深い傷ができます。

ちなみに夏井さんによると、フィブラストスプレー、アクトシン軟膏、ゲーベンクリームが激痛外用薬の御三家とのこと。

ヤケドをした子供の母親が、治療中に泣き叫ぶ我が子の姿を見て、これはおかしいと感じます。そこで、母親は、もっと痛くないヤケドの治療法がないかとスマホで検索を始めます。そして、熱傷の湿潤療法なるものがあることを知り、湿潤療法を行っている医師のもとへと駆け込むようになりました。

iPhoneの発売以降、夏井さんのもとにヤケドの湿潤療法を受けにくる患者の数が増えたそうです。インターネットは、まさに現代日本人の基本的人権です。インターネットに接続できない環境だと、正しい治療を受けることもできないのです。

しかし、昨今のグーグル検索は、権威を重視する検索結果を返すようになっています。これでは、皮膚移植から逃れて湿潤療法を受けることが難しくなっていきます。害悪な権威の温存に手を貸していることに気付いてほしいものです。

消毒や皮膚移植をする医者から逃げよう

傷を消毒したり、ヤケドに皮膚移植をしたりする医者からは、とにかく逃げることです。そして、インターネットで湿潤療法を行っている医師を調べ受診しましょう。

一生懸命に治療してくれている医者から逃げ出すのは申し訳ない気持ちになるかもしれませんが、善意でまちがった治療をする医者に診てもらうほど患者にとって悲劇的なことはありません。

熱傷治療に皮膚移植をすることは患者にとって大したメリットはありません。ヤケドの治りは早くなっても、体の一部が動かない、感覚がない、見た目が痛々しいといった不都合を死ぬまで負わされるだけです。

本来なら、優れた治療があるなら、プロとして、その治療に移行すべきなのですが、医学界内部からの改革は難しいでしょう。

国が熱傷治療に皮膚移植を禁止するとか、皮膚移植を受けて不便な思いをしている人が裁判を起こすとか、外圧を加えなければ変わりそうにないですね。

患者よ、医者から逃げろ その手術、本当に必要ですか? (光文社新書)

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