ウェブ1丁目図書館

読書で得ること感じること。ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。

人生は遺伝や環境の影響が大きいが、運を高める努力はできる

人生は、生まれ育った地域や環境に大きく左右されます。親ガチャという言葉が広まったように自分の人生は、誰を親に持つかで大きく変わります。

親だけでなく、生まれる国、生まれる時代にも人生は影響を受けます。要するに人生の大部分は運に左右されているのです。

だからと言って、何もかもが運任せではありません。人生では、同じような場面に何度も出くわします。そして、何度も同じ経験をしていれば、次にどう行動すればうまくいく確率が高まるかがわかってきます。

規則性なく起こる事象

経済評論家の勝間和代さんは、「真実のほとんどは『ランダム』」だと、著書の『人生確率論のススメ』で述べています。

ランダムとは、偶発的で何ら規則性がないことです。宝くじに当たるかどうかも、偶然であり、宝くじの購入者は当選番号に影響を与えることはできません。もしも、宝くじを買って1等が当たった人が、自分の実力で当てたんだと言ったら、ほとんどの人が運が良かっただけだと思うはずです。

さすがに宝くじを実力だと思っている人は少ないでしょう。でも、自分が仕事で成功したことは、運ではなく実力だと思う人は多いのではないでしょうか。仕事の成功も、特定の条件下で起こったことならランダムです。その条件が今後も訪れなければ、成功することはありません。

それなのに特定の条件下でしか成功しない方法を他の場面でも試そうとする人がいます。いや、多くの人は同じ方法が、どんな場面でも通用すると思って同じことをし続けます。偶然を実力だと勘違いしてしまうからです。ずっと同じことを続けていれば、過去に成功した時と同じ条件が訪れるかもしれません。しかし、条件の到来を待つのは非効率です。

成功体験にとらわれず、その時の条件下でうまくいく方法を選び続けた方が人生は良い方向に向かうはずです。

確率を意識して選ぶ

何かを成し遂げるためには、努力が必要です。しかし、必ずしも努力が成功に結び付くわけではありません。むしろ、報われない努力の方が多いです。

プロスポーツ選手になるのと営業パーソンになるのとでは、同じ努力でも後者が成功確率が高いです。営業力は、多くの分野で役に立ちますから養っていて損はありません。一方、プロスポーツ選手は、ほんの一握りの人しかなれませんから、成功確率は極めて低いですし、夢破れた時にその技術を他に転用できる可能性も低いです。

プロスポーツ選手か営業パーソンかといった極端な選択ではなくても、日ごろの小さな選択で成功確率が高い方を選ぶ意識を持っていた方が、「自分は何をやってもダメだ」と悲観しにくくなります。

勝間さんは、運を左右する要素は、自分の努力が2%、自分以外の環境が98%と述べています。だから、自分以外の環境を味方につける努力をした方が有意義だと。どの分野で努力するか、誰と一緒にいるか、運を味方につけるためには、自分の努力以外に視野を広げた方が得策です。

運を見逃さないために

チャンスが目の前に転がっていても、手を伸ばして捕まえなければ逃げてしまいます。要するに運は行動しなければ手にできないのです。

勝間さんは、運がいい人に慣れない人、つまり、行動できない人の特徴は以下の3つだと指摘しています。

  1. リスクを取れない
  2. 完璧主義に陥っている
  3. 他人の評価を気にしすぎる


リスクを取れないのは、失敗したら困るという意識が強いためです。そのような状況に置かれるのは、余裕がないからとも言えます。絶対に失敗できない状況に立たされた場合、確実に成功することしか選択できなくなります。1回や2回失敗しても大丈夫という余裕があれば、リスクをとって運をつかみに行けます。株式投資を始める場合、投資額すべてを失っても生活に支障が出ないくらい貯金に余裕があればリスクを取れますが、失敗したら破産するという状況ではリスクを取れません。

また、やるからには必ず成功しなければならないとの完璧主義に陥っている場合も、リスクを取れません。完璧主義に陥っている人は、つい、あら探しをしがちです。悪いところばかり目が行くと、良い部分を見落とし、運を逃す確率が高くなります。優先順位が低いことをやめてみることで、悪しき完璧主義に陥りにくくなります。

他人の評価を気にしすぎることも、運を逃しやすくなります。他人の評価が気になると、失敗をしたときに恥ずかしいとの感情から、なかなか行動に移せません。他人の意見ほど安っぽいものはありません。どうしても、自分をより良く見せたいのであれば、思考や行動を磨く、知識を得る、多くの人と出会う、見聞を広める、経験と学びを積むといったように自分自身を高めていくしかないと勝間さんは述べています。これらの行為は、自分自身の能力を高めることにもつながりますから、自信となり、他人の意見に簡単に流されにくくなるという良い精神状態を作り出せるはずです。

数字を身近に

人生においては、何度も不運な状況に立たされることがあります。そして、不幸になることもあります。規則性がなく偶然起こる事象なんて、どうすることもできません。

しかし、自分の選択によって、偶然起こる事象にある程度関与できます。その時の選択によって、一定の確率で成功することもあれば、一定の確率で失敗することもあります。その一定の確率を計算して、どの選択肢が最も成功しやすいかを選ぶことは可能です。例えば、ある局面で以下の3つの選択肢があり、それぞれの成功確率がわかっていたとします。


A=10%
B=8%
C=5%


どの選択肢を選んでも90%は失敗します。しかし、3つの選択肢の中ではAを選ぶのが、最も良い選択となります。結果はどうなるかわかりませんが、その時その時で、考えられる選択肢のどれが最も良い結果につながりやすいか、確率を計算できれば運が高まるはずです。

確率を計算するためには、普段から数字に接する必要があります。数字に慣れていれば、ざっくりと確率を計算することができます。

例えば、コロナに感染する確率が、毎日1,000人に1人だったとします。そして、PCR検査で偽陽性と出る確率が1%だったとします。この場合、PCR検査で陽性と出た場合、実際にコロナに感染している確率は、わずか9.1%です。きっと、多くの人は感染している確率を99%と計算したことでしょう。

この計算ができるだけで、旅行前に無駄なPCR検査を受けなくなります。陽性と出ても約90%の確率で感染していないのですから。医師の診断がないPCR検査は、有効性が低いんですね。


人生は、遺伝や環境の影響を大きく受けます。努力だけではどうすることもできない事象も発生します。しかし、それぞれの場面で、成功確率を高める選択は可能です。