ウェブ1丁目図書館

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知っているとかっこいい粋な振る舞い

普段はガサツでも、場面に応じて正しい作法や粋な振る舞いができる人は、只者ではないと感じます。

そんなに細かい所作にこだわらなくても構わないだろうと思う人もいれば、作法やマナーに口うるさい人もいます。前者との交流は気が楽ですが、後者の場合だと会うだけで気が沈むこともありますよね。

でも、正しい作法や粋な振る舞いができれば、マナーにうるさい人と親しくなることも可能ですから、相手も自分も不快な気分にならないために知っておいて損はないでしょう。

ちょっとした心配り

正しい作法は、なぜそのようにしなければならないのか、わからないことが多いです。

一方、粋な振る舞いは、他人に対するちょっとした心配りであり、日常生活で相手に不快感を与えず、トラブル発生を未然に防ぐことができるのではないかと思います。

カラー&ライフコーディネーターで放送作家の三浦康子さんは、著書の「粋なおとなの花鳥風月」で、粋なおとなのかっこいい所作を紹介されています。

例えば、雨の日に傘をさして、狭い路地を歩いています。すると、前からも同じように傘をさしてこちらに歩いて来る人がいました。ちょうどすれ違う時、傘を相手とは逆方向に倒して、傘が当たらないように雨の滴が相手にかからないようにすることを傘かしげといいます。

何も言わず、傘かしげをするだけで、相手も自分に配慮してくれていると気付くことでしょう。

器を泣かさない

忘年会、新年会、披露宴などでは、乾杯をします。

この時、器を隣の人の器にコチンと当てて乾杯をする人が非常に多いですが、これはマナー違反です。

乾杯は、本来、目礼しながら酒器を上げるだけでよく、酒器を合わせる必要はありません。器と器がぶつかる音を「器が泣いている」といいます。大切なものを泣かしてはいけませんから、酒器を合わせたい時は、酒器を包む指と指が軽く触れるようにする程度が粋な振る舞いです。

また、器を重ねるのもマナー違反です。塗り物などの繊細な器に傷がつくからです。

器に傷をつけないためには、指輪や時計も外すのが粋な計らいです。

懐紙を使う

時代劇を見ていると、侍が口に紙をくわえながら刀を手入れしている場面が出てくることがあります。

口にくわえている紙は懐紙と呼ばれるもので、食事の際にも活躍します。

  • 口元や指先、箸やグラスの汚れをふく。
  • 料理を口に運ぶときの受け皿にする。
  • 取り皿の代わりとして使う。
  • 焼き魚の中身を外すとき、懐紙を添えて頭を押さえる。
  • 小骨や種などを口から出すときに口元を隠す。
  • 食べ残しを包む。


会食の時に懐紙を使うと粋ですね。

また、懐紙は、ハンカチやティッシュ代わりにもなります。一筆箋としてちょっとしたメッセージも書けますし、心付けを包む時にも使えます。

手土産を風呂敷に包む

知人宅にお邪魔する時、何か手土産を持っていくと思いますが、この時には風呂敷に包んでいくだけで、差し出す人も手土産もワンランク上に見せることができます。

風呂敷の用途は数多くあり、菓子折りのような四角い箱を包むだけでなく、お酒のボトルを包んで持っていくこともできます。

風呂敷の最も礼儀正しい包み方は、平包みと呼ばれる包み方で、贈答品を持参する時に用います。包み方は簡単で、品物を風呂敷の中央に斜めに置き、四隅を内側へ折るだけです。しかし、四隅を折る順番は慶事と弔事で逆になるので注意が必要です。

慶事の場合は、手前(下側)→左→右→奥(上側)の順に折る右包みで折ります。

一方、弔事の場合は、手前(下側)→右→左→奥(上側)の順に折る左包みで折ります。

手土産を渡す時は、風呂敷を開いて品物を横に置き、いったん風呂敷をたたんでから差し出します。

同じ品物を手土産として持っていく場合でも、裸で持っていくより、風呂敷に包んで持っていく方が相手への気配りができているように感じるもの。ちょっとしたことですが、印象は随分と違いますね。

梅、桃、桜の見分け方

日本人の桜好きは異常だと、以前に歌手の河口恭吾さんがテレビ番組でおっしゃっていました。

しかし、日本人が桜好きと言っても、梅や桃との区別がつかない人は多いのではないでしょうか?

梅も桃も桜も、バラ目バラ科サクラ属の植物ですから似ているのは当たり前。だから間違えても仕方ないことですが、桜好きを自称する方なら3種の見分け方は知っておきたいですね。

これらは、開花時期で見分ける方法があります。最も早く開花するのが梅、次いで桃、最後が桜です。ところが、地域によっては桃と桜の開花時期が逆のことがあります。さらに遅咲きの梅と早咲きの桜が同時に開花することもあるので、開花時期だけで3種を見分けるのは難しい場合があります。滝桜で有名な福島県三春町は、梅、桃、桜が一度に咲くから「三春」と名付けられたのだとか。

だから、3種をしっかりと見極めるためには、それぞれの花の特徴を知る必要があります。

梅は、花の先がまるいです。

また、花柄がないので枝にくっつくように花が咲きます。花芽は1節に1個なので、全体的にボリュームがなくスカスカした印象です。

桃は、花の先がとがっています。

花柄は非常に短く枝に沿うように花が咲きます。花芽は、1節に2個なので、梅よりも華やかさがあります。

桜は、花の先が2つに割れています。

花柄は非常に長く、枝からこぼれそうに花が咲きます。花芽は房状についているので花数が多く、とても華やかです。


これだけ知っておけば、梅、桃、桜を判別できるでしょう。ただ、虎の尾のように枝に沿うように花が咲く桜は、桃と間違えそうになりますけどね。

春の七草秋の七草

粋なおとなは、花鳥風月にも詳しいもの。

春の七草秋の七草をすらっと言えたりすると、かっこいいですね。

ちなみに春の七草秋の七草も、五・七・五・七・七で覚えることができます。

秋の七草

ハギ、キキョウ、クズ、フジバカマ、オミナエシ、オバナ、ナデシコ秋の七草

なお、秋の七草は頭文字をとって、「ハスキーなおふくろ」で覚えることもできます。「ろ」は何もないですけどね。


粋な振る舞いは、育ちや家柄によって身につくと思っている方もいると思います。

でも、そうではないですね。ただ、知っているかどうかだけですし、何よりも他人に不快感を与えないようにしようという心配りがあれば身につけることができるはずです。