動脈硬化は、喫煙、高血圧、糖尿病、コレステロールが原因と言われています。
しかし、これらが動脈硬化の原因と言うのは非常に怪しいです。動脈硬化にならないために最も大切なことは歯の健康を維持することです。
歯の健康を維持するために大切なのは毎日の歯磨きです。これは誰もが知っていることですが、もう一つ重要なことがあります。
それは、白米のように炭水化物を多く含む食品を食べないことです。
歯原性菌血症こそが動脈硬化を引き起こす
歯科医の花田信弘さんは、動脈硬化の大きなリスク因子は歯原性菌血症であると著書の「白米が健康寿命を縮める」の中で述べています。
歯原性菌血症は、簡単に言うと口の中の傷口や炎症を起こした部分から血管内に細菌が侵入する現象のことです。虫歯や歯周病になっている歯茎からも、当然、体内に細菌が侵入してきます。
驚くことに歯から侵入した細菌は、たったの90秒後には上腕部を通っているのです。口腔内には様々な細菌が棲んでいますから、虫歯や歯周病を放置していると、慢性的に細菌が血管内に侵入していることが容易に想像できるでしょう。
歯原性菌血症が、動脈硬化のリスク因子とされるのは以下の理由からです。
- 口から血中に入り込んだ細菌が血管内皮細胞に定着して、血管内膜に炎症が起こる。
- 炎症を修復するためにLDLコレステロールが通りかかる。
- LDLコレステロールが活性酸素により酸化され、それを非自己成分と免疫細胞が認識し、マクロファージが呑みこむ。
- 大量のマクロファージの死骸が、血管内膜のアテローム性プラークになる。
アテローム性プラークが増えると、その部分に血栓ができやすくなります。もしも、血栓が血流に乗って心臓まで飛んでいくと心筋梗塞になりますし、脳に飛んでいけば脳梗塞になります。
ここで知っておくべきことは、悪玉とされているLDLコレステロールは血管の炎症を修復するということです。炎症が起きている部分にLDLコレステロールが多く見つかるのはこれが理由です。決して動脈硬化の原因はLDLコレステロールではないのです。
動脈硬化予防に本当に大切なことは、歯原性菌血症をいかに防ぐかなのです。
歯だけは剥離によって細菌を捨てられない
外から帰ってきたときには、付着した細菌を取り除くために手洗いをすると思います。
衛生面からは、手洗いは好ましいことです。しかし、人間は、手洗いをしなくても細菌を体から切り離すことができます。なぜなら皮膚には剥離システムが搭載されているからです。
女性ならお肌のターンオーバーという言葉を聞いたことがあるでしょう。お肌のターンオーバーは健康な人だと通常28日とされています。すなわち、皮膚の細胞ができて28日後に剥がれ落ちるということです。
皮膚表面に棲んでいた細菌たちは、ターンオーバーによって皮膚が剥離しますから、それと一緒に皮膚表面から落ちていきます。だから、どんなに細菌ががんばったところで、剥離システムの前では無力なのです。しかし、剥離システムが機能していない部分があります。それが歯なのです。
剥離しないのは、歯の表面だけなのです。歯の表面にいったん歯垢がくっついてしまうと、歯磨きをしない限り、その場に居座ってしまいます。歯の表面は他の部位よりも約1000倍密集した細菌の塊ができています。ですから、わざわざ歯をみがかなくてはならないということになるのです。
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骨のような硬組織は、通常、骨膜に覆われて無菌を保っています。しかし、唯一、歯だけは硬組織がむき出しになっていて、細菌に対して無防備となっています。しかも、皮膚のように表面が剥離することがないので、何もしなければ細菌たちの攻撃にやられてしまいます。
だから、歯磨きのような歯の手入れが重要となってくるのです。
しかし、歯の手入れだけで完璧に歯や歯茎の健康を維持するのは困難です。
三大栄養素で虫歯の原因になるのは炭水化物だけ
虫歯の原因は何なのか?
この問いに対して、「口の中に虫歯菌がいるから」と答える方が多いです。しかし、虫歯菌がいるからと言って、虫歯になるのではありません。虫歯菌が出す酸に歯が溶かされるから虫歯になるのです。
虫歯菌は、炭水化物(糖質)をエサにして増殖し酸を出します。pHは7が中性ですが、この数値が低くなると酸性です。歯の表面を覆っているエナメル質は、pHが5.5まで下がると溶け出します。しかし、歯根に近い歯の象牙質は、pHが6.7と中性に近い状態で溶け出してしまいます。
酸によって歯が溶かされたとしても直ちに虫歯にはなりません。それは、唾液に含まれているミネラルが、溶けた歯の修復をしてくれるからです。これを再石灰化と言います。しかし、再石灰化には限界がありますから、炭水化物を一度にたくさん食べたり、頻回に摂取していれば、やがて再石灰化が間に合わなくなり虫歯になります。
糖質、タンパク質、脂質の三大栄養素の中で虫歯の原因となるのは糖質だけです。そして、歯周病の原因となるのも糖質です。したがって、歯の健康を保つためには糖質を食べるべきではないのです。
人間は主食を食べて歯を失ってきた
糖質と聞くと、砂糖のような甘いものを想像するでしょうが、米や小麦に含まれるデンプンも糖質です。だから、米や小麦を食べることは、歯を失う原因となるのです。
特に白米を加熱して食べる行為は、虫歯や歯周病のリスクを高めます。
私たち人間は、米や芋などは過熱をしないと食べられません。非加熱のデンプンは硬いβデンプンですが、加熱すると柔らかいαデンプンに変わります(これを糊化といいます)。
柔らかくなったαデンプンは唾液のアミラーゼ酵素で分解されやすくなりますが、それによって多糖類が二糖類の麦芽糖に分解されるために、悪玉細菌のエサになってしまいます。
つまり、炊きたてのホカホカした白ご飯は、歯にとっては大敵、ということです。
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加熱したデンプンを食べると歯の健康を損ないます。しかし、非加熱のデンプンを人間は分解する酵素を持ってないので、そこから栄養補給するのは困難です。そう、白米を主食とする食習慣は、将来的に歯を失うか栄養失調になるかの二択なのです。
そして、縄文時代に前者を選んだ日本人は、以後、歯を失うリスクを抱えながら現代にいたったのです。
慢性的な歯の疾患が血管に炎症を起こす
白米を食べ続けていると、知らず知らずのうちに歯の健康を損なっていきます。
30歳以上の80%が歯周病だと言われていますが、それは歯の手入れが不十分だということよりも、白米やパンなどの主食が主要因だと気付かなければ防ぐことはできません。
そして、歯周病になれば炎症を起こしている歯茎から口腔内の細菌が体内に侵入し血管を傷つけます。歯周病が放置されれば、細菌の体内侵入が継続され、血管のあらゆる部分で炎症が発生します。
だから、健康寿命を延ばすには、炭水化物に偏った和食を食べるべきではありません。
しかし、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことから、和食が健康食だと誤解する人が増えました。現在の和食文化を普及させれば、世界中で虫歯や歯周病が増加し、慢性的な疾患に悩む人たちが増えるでしょう。
古代の日本の為政者が、肉食を禁じて稲作を普及させたのは、仏教などの宗教的な理由でもなければ、国民の栄養補給を考えたものでもありません。
単に穀物が保存しやすく安定的な栽培が可能だったから、徴税の対象として穀物栽培を普及させただけです。
健康寿命を縮めている原因が、炭水化物の過剰摂取だとわかっているのに炊き立てのご飯がやめられないのなら、それは白米中毒にかかっている証拠です。
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