ウェブ1丁目図書館

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身近な疑問や噂話の真偽は行動経済学で確かめられる

経済学に持つイメージは、どのようなものでしょうか。

あんなものは机上の空論で現実世界と乖離した理屈だと思う人もいれば、しっかりと勉強すれば、将来、どのように株価が動くかを予測できる学問と捉える人もいることでしょう。あと、やたらと数字が出てきて何を言いたいのかよくわからないという人もいると思います。

また、経済学の知識を役立てられるのは、日本銀行財務省などで働いている一部の人だけと思われがちなのも、経済学の特徴ではないでしょうか。

でも、経済学は、実はもっと身近な存在であり、多くの人の生活と密着した側面も持っているのです。

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行動経済学で偏見と差別を考えてみる

現代のような貨幣経済が発達した社会では、経済学が重要な学問となっています。

経済学では、複雑な数式が出てきたり、非現実的な前提をもとにしてモデルが組み立てられたりするので、取っつきにくいイメージがあります。しかし、最近では、人の心を分析する経済学が注目されるようになり、自分たちの行動がどのように経済に影響を与えているのか、一般人でもイメージしやすくなっています。

人の心に焦点を当てた経済学を行動経済学といいます。

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因果関係を確認するためにはRCTが有効だが、実施できるかどうかは別問題

喫煙すると死亡率が高まるというデータを見せられると、タバコが肺がんなどの病気と関わっているんだなあと思ってしまいます。1日の喫煙本数が増えるほど、肺がんにかかる確率が高くなるグラフを示されれば、もう、その時点でタバコが肺がんの原因だと決めつけてしまいます。

しかし、タバコと死亡率、タバコと肺がんとの間に相関関係があったとしても、因果関係があるとは言い切れません。なぜなら、バイアスが存在しているかもしれないからです。

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市場競争が格差を作るとしてもセーフティネットの構築には市場競争が必要

21世紀に入ってから、格差問題が頻繁に議論されるようになっています。

裕福な人と貧乏な人の二極化が起こっていると指摘する識者がメディアに登場する機会が多くなっているので、日本社会が20世紀後半との比較で格差社会となっているのは事実なのでしょう。

生活が行き詰まるほど貧しい人が増えないようにするには、格差の是正が大切だというのはわかります。しかし、ここで市場競争を抑制することが格差問題解決に有効だとすることには疑問があります。

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戦後の好景気は設備投資がけん引した

消費が拡大すると景気が良くなる。

よく言われることです。これは、反対に言うと景気が悪い原因は消費が少ないからだとなります。この考え方から、昨今の景気対策では、いかに消費を増やすかに焦点を当てることが多いですね。

でも、本当に消費拡大が好景気につながるのでしょうか?

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