ウェブ1丁目図書館

ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。なお、当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。

金融化した経済は社会に何をもたらすのか

金融とは、文字通りお金を融通することです。

修行して一人前の料理人になったけど、お店を出すための資金がない。そんな時には、銀行から資金を借りれば、早期にお店を持てます。借金は、毎月の売上の一部で返済すれば良いので、料理人としての腕を活かしながら生活できます。

もしも、金融がなかった場合、こうはいきません。お店を出すためには、どこかで別の仕事をして給料の一部を貯金に回し、まとまった資金ができてから独立しなければならないので、多くの時間を資金調達に費やす必要があります。金融のおかげで、多くの人が、自分の才能を早期に発揮できることは、社会にとっても有益なことです。

ところが、いつしか金融は社会の秩序を危うくする存在になりました。不景気は、金融危機が発端となることがあり、しかも、それが長期化することさえあります。

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大久保利通が征韓論に反対したのは政敵つぶしが目的

明治6年1873年)。

征韓論争に敗れた西郷隆盛江藤新平副島種臣らが、官を辞して新政府を去りました。

征韓論は、武力をもって朝鮮を開国させようとするものであり、現在では考えられない外交手段です。しかし、明治初年の日本では、大多数の人々が征韓論に賛成の立場であり、議会で征韓論を反対した大久保利通木戸孝允も、基本的には武力によって朝鮮を開国させるべきだと考えていました。

それなのに大久保利通は、征韓を主張する西郷隆盛と対立しました。

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根性で筋肉は発達するが効率的かはわからない

オリンピックの競技を見ていると、アスリートたちの身体能力の高さに驚かされます。特に馴染みのないスポーツほど、驚きは大きいですね。

トップアスリートの常人離れした動きは、日々の鍛錬によるものであることは言うまでもありません。それはわかっていても、空中で何回転もできたり、鉄の塊を遠くに投げたりできるのは不思議です。

いや、そもそも、我々の筋肉が、自らの意思であろうと無意識であろうと、様々な動きをできること自体が不思議です。

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産業革命と戦争の大規模化

現在の資本主義社会は、18世紀後半のイギリスで起こった産業革命から発展しました。

産業革命以降、仕事の機械化が進み、これまでとは違った働き方が広がっていきました。今日の社会の発展も、産業革命がなければあり得なかったでしょう。

一方で、産業革命以降の社会は、世界規模での争いも多くなりました。産業革命は、人々を豊かにしたはずなのに不思議です。

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ベーシックインカムの導入は勤労義務の呪縛から国民を解放する

労働は美徳か。

額に汗して働く姿は美しいし、目標に向かって一心不乱に努力している人を見ていると応援したくなります。一方で、目標を持たず、働らきもしない人は怠惰なので、困窮しても自業自得だから仕方ないと考えがちです。

ところで、なぜ、労働は美徳と考える人が多いのでしょうか。そして、何もしないことをなぜ悪だと考えてしまうのでしょうか。

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