ウェブ1丁目図書館

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歴史の事実は「わき役」の言い分にも耳を傾けなければわからない

歴史の通説を作るのは勝者。

敗者の言い分が通説に盛り込まれることは少なく、また、わき役たちが重要な役回りを演じても過小評価されている場合があります。歴史上の敗者やわき役の働きを正当に評価した史料もありますが、その内容が紹介される機会はあまりありません。

歴史のわき役たちの言い分を聞く機会があれば、おそらく、多くの現代人が自分の歴史観は違っていたのではないかと思うでしょう。

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道理か利益か。道鏡を即位させなかった和気清麻呂の嘘。

奈良時代の話。

この時代は女性が天皇に即位することが多く、二度天皇になった孝謙天皇称徳天皇)もまた女性でした。現代も日本には天皇陛下がいらっしゃいます。歴代の天皇は全て男系、つまり、天皇陛下のお父さんのお父さんのお父さんの・・・と、ずっと遡っていけば初代の神武天皇にたどり着きます。

これだけ長きにわたり男系を維持できているのは驚きです。しかし、過去に男系が途絶えそうになったことがあります。男系どころか、天皇家の血を全く引いていない人が即位するかもしれないという事態が、孝謙天皇の時代に起こったのです。

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聖武天皇に藤原不比等の血は流れているのか?

奈良の名物ですぐに思いつくものは何か?

そう問われた時、多くの人が「大仏」と答えるでしょう。では、その大仏を造立したのは誰かと聞かれた時、「聖武天皇」と答えられる人はどの程度いるでしょうか。おそらく半分もいないと思います。さらに聖武天皇の母は誰かと問われて答えられる人は一気に減るでしょうし、その母の父は誰かと問われて正解する人は100人に1人もいないと思います。

聖武天皇の母は藤原宮子、そして宮子の父は藤原不比等です。藤原宮子の名は知らなくても、藤原不比等の名を聞いたことがある人は多いはず。聖武天皇は、藤原不比等の娘の宮子と文武天皇の間に生まれましたから、聖武天皇には藤原不比等の血が流れているはずです。しかし、聖武天皇に嫁いだ光明子もまた藤原不比等の娘でしたから、本当に聖武天皇不比等の血が流れているのか謎です。

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和と礼

日本の国民性には、どこか曖昧さがあります。言葉を発しなくても、表情で何を言わんとしているのか察するという辺りにも、どことなく曖昧さを感じます。

中江兆民は、日本には純粋な哲学が存在しないと嘆きました。日本人特有の曖昧さを哲学として捉えるのは困難だったのでしょう。しかし、この日本人特有の曖昧さが、時に揉め事を引き起こすことはあるでしょうが、とりあえず社会がうまく回る仕組みを作り出しているのではないかと思います。

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消費拡大のためには若者が働きやすい職場作りが必要

景気が良くなるためには、消費の拡大が必要だと言われています。

材料を買ってきてモノを作る。作ったモノを売り代金を回収する。再び、材料を買ってきてモノを作って売り代金を回収する。

この製造と販売の繰り返しにより、資金の循環が起こります。消費が拡大すれば資金の循環が早まり、企業の生産活動が活発になるとともに新製品の開発にも資金の一部を投下できるようになります。新製品が世に出れば、これまでよりも便利な社会になりますから、企業の発展や経済の発展は豊かな社会作りに貢献します。

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