ウェブ1丁目図書館

ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。なお、当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。

食費の節約に家計簿は不要。冷蔵庫の活用で無駄な出費は削れる。

最近は、何かと世知辛い世の中になっているので、ある程度の蓄えを残しておくためにも、お金は無駄に使いたくないものです。

だから、毎日家計簿をつけて、どれだけ食費にお金をかけているかを細かく記帳して無駄を省く努力をしている方もいらっしゃることでしょう。人間は、食べなければ生きていけないので食費は絶対にかかります。しかも、毎日のことなので、出費の多い項目でもあります。

しかし、家計簿が本当に節約に役立っていますか。おそらく、ほとんどの人がただ記帳しているだけになっているのではないでしょうか。

買い物前に献立を考えるな

作家の林望さんは、食費の節約のためには、「前もって献立などを一切考えない」ことが重要だと、著書の「節約の王道」で述べています。

献立を事前に考えなければ買い物に行けないと思うでしょうが、その考え方が、無駄に食費を増やしている原因なのです。例えば、今夜は八宝菜を作ろうと思って買い物に行った場合、それに必要な材料を買わなければなりません。各種の野菜や肉、とろみをつけるための調味料も必要になるかもしれませんね。

こういう買い物をしていると、八宝菜には人参が絶対に入っていなければならないとか、肉は豚肉じゃなければだめとかいった先入観があるため、安売りをしていない日に購入してしまう場合があります。これは非常にもったいないですね。3本入りの人参が安売りなら98円で買えるのに八宝菜を作ろうと思っている日は158円で売られていたとしたなら、1.5倍も高い価格で買わなければなりません。


食費を節約したいなら、スーパーでは安売りをしている食材を中心に買うこと。そして、帰宅してから買ってきた食材を見て献立を考えるのが無駄な食費を削るコツです。

このようにして料理をしていると、やがて様々なレシピを思いつきます。そして、食材を使い切るまでは絶対に買い物に行かないと決意することで、さらなる節約と新料理の開発につながっていくのです。

食費の管理は冷蔵庫で

林さんは、冷蔵庫の食材がなくなるまで次を買いに行かないと決めているそうです。

食材を買うときの十円二十円にこだわるのに、買った食材を結局腐らせているという人もいるようですが、それでは元も子もない。食材を駄目にしてしまうことは、食べ物を粗末にしているという意味だけでなく、食費を無駄にしているという意味でも愚行である、という認識をここで改めておくべきだと思います。
「献立を考えずに買い出しをする」「食材を使い切る」、この習慣を続けていると、自然と食費の無駄がなくなっていく実感があります。(21~22ページ)

事前に献立を考えてから買い物に行くと、必ず冷蔵庫の中に使い切れなかった食材が残ります。それはもったいないと思って、メニューはどうでもいいから何が何でも食べきるというなら構いません。でも、野菜室を開けて変色したブロッコリーが転がっていたら、食べるのをためらって捨ててしまう人は少なくないはず。

そして、再び献立を考えた後に買い物に行くと、冷蔵庫にそれだけでは調理することができない食材が残るという悪循環が繰り返されます。家計簿をつけていても食費を抑えることができないのは、こういったところに原因があるのです。

それなら、家計簿なんてつけても無駄です。買い物をする時に、毎回、冷蔵庫がいっぱいになる量の食材を買い、食べきったら、また買い物に行くというサイクルを繰り返せば良いのです。冷蔵庫に入る量は決まっているのですから、買える食品の量もおのずと決まってきます。それは、すなわち、1回の買い物での支出も一定の範囲で推移するということに他なりません。

3日で食材を使い切るのなら、1ヶ月の買い物の回数は10回。冷蔵庫の容量から1回の買い物で買える食品は3,000円程度までとしたら、1ヶ月の食費は3万円となります。多少、月によって変動するでしょうが、概ね1ヶ月間の食費は自然と決まってくるはずです。

食材がなくなったら買い物に行くのは、冷蔵庫に食費の管理をさせているのと同じです。わざわざ家計簿をつける必要はありませんよね。

身の丈にあった食事は節約の知恵と食べる喜びを与えてくれる

この頃では、職場にお弁当を持参する男性が増えています。これも食費の節約という面では効果的です。毎日、ランチに支出する額と比較すると、3割から5割程度は食費をカットできるはずです。

「よし、それなら炊飯器を買ってきて明日から弁当男子になるぞ」

と思った独身男性の方は、ちょっと考え直してください。炊飯器でご飯を炊くと、1人分だけでは済みませんよね。1合炊きの炊飯器もあるので、1人分だけを炊こうと思えば炊けます。しかし、毎食、米を研いで炊くのは面倒です。そうなると、まとめて2合、3合と炊いてしまいます。

これこそが食費の無駄につながるのです。冷凍保存しておいたご飯を電子レンジで温めて食べても、どことなく味気ないもの。やがて、それが嫌になり炊飯を断念し、気づけば冷凍庫にはいつから保存しているのかわからないおにぎりが、何個も残っているなんてことにもなります。

だから、林さんは、一人暮らしの人には、ご飯を炊かずにコンビニやスーパーで1食分のご飯を買うようにすすめています。それも、保存がきく電子レンジで温めるタイプの白米ではなく、惣菜売り場にパックに入って売られている炊いた白ごはんです。

白ごはんを買ってきたら、おかずは自分で調理します。これこそが、一人暮らしの方が食費を節約するコツです。ご飯を一切食べずにおかずを1品増やすというのも良いですね。


また、外食に関しては、「五日間食べ続けても懐が痛まない」額で済むお店を選ぶべきだとも、林さんは述べています。人それぞれ収入が違うので、一概に金額を決めることはできません。

例えば日ごろカップラーメンばかり食べるような食生活を送っている人が、一人三万円もするような店へ行ったとしたら、それは非常にバランスが悪い。そもそも、そういうものを食べつけていないのだから、その食事が十分楽しめるかといったら、それも疑問です。(38ページ)

高級な料理を楽しめるのは、普段からそういった食事をする機会が多い人だけです。背伸びをしたところで、おいしく感じながら食事はできないでしょう。だから、「五日間食べ続けても懐が痛まない金額」というのが、その人にとってちょうど良い外食なのです。


身の丈に合った食事をする。

それこそが食費の節約の王道であり、よりおいしく食べ物をいただく秘訣と言えるでしょう。