ウェブ1丁目図書館

読書で得ること感じること。ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。

砂糖や米など身近な食べ物が麻薬となるマイルドドラッグの恐怖

日本が飽食の時代と言われるようになって久しいですね。お腹がすいたら、とりあえず、どこかお店に行けば、好きなものが食べられます。家の冷蔵庫を開ければ、そこに食べ物が溢れているので、わざわざ出かけなくても大丈夫という人も多いのではないでしょうか。

このような飽食の時代になると、日常当たり前のように食べているものが、体にとって毒となることがあります。「『砂糖』をやめれば10歳若返る!」の著者の白澤卓二さんは、砂糖や米が中毒となる食べ物であり、それらを日常的に食べることは、健康に良くないと指摘しています。

美味しいから白米を食べるという人は中毒になっている!?

一般的な常識として、米は体に良いというものがあります。しかし、白澤さんは、毎日食べている白いごはんが、中毒かもしれないと指摘しています。

ところで、あなたは、「なぜ白米を毎日食べているのですか?」と訊ねられたらどう答えますか。もしも、「おいしいから」と答えてしまったら、それはもう白米中毒の始まりです。

白澤さんは、医師なので、患者と接する機会が多く、白米よりも雑穀や玄米の方が栄養が豊富なので、それらを食べるようにすすめるそうです。でも、白米が美味しいから雑穀や玄米を食べたくないという人も中にはいます。しかも食べる前から拒絶するとのこと。

そういった方に共通しているのは、白米の何が好きなのかということを言わず、ただ「おいしい」というだけで、他の形容詞が出てこないそうです。

これに気が付いたとき、白米を求める人たちと、中毒でアルコールやタバコを求める人たちが重なって見えました。
こうした人々を、私は「白米原理主義」と呼んでいます。白米原理主義の方のお話を伺うと、皆さん、食事をする時はごはんから箸をつけている人がほとんどでした。ごはんが好きで好きでたまらくて、食べずにはいられない、ということでしょう。(23ページ)

白米が好きな理由を具体的に述べることができない人は、白米中毒の可能性が高そうです。

マイルドドラッグ中毒になった大阪のメタボ猿

白澤さんは、違法薬物のような中毒性の高いものをハードドラッグ、中毒性も常習性も低いものをソフトドラッグという他にマイルドドラッグという表現も使っています。

例えば、タバコやお酒なんかは、依存症になってしまうけども、ハードドラッグほどの中毒性はありません。とは言え、禁断症状が出ることがあるので、ソフトドラッグと呼んでいいほどだと述べています。一部の研究者からは、ハードドラッグにした方がいいのではないかという意見もあるとか。

タバコやお酒は、健康に悪いという情報が伝わるようになっていることもあり、喫煙者の割合や多量飲酒者の割合は減ってきています。これは、喜ばしいことなのですが、白澤さんが、今最も心配しているのは、身近な食べ物にも常習性をもたらすマイルドドラッグと呼べるものが多く存在していることです。それが、砂糖であり、体内に入るとブドウ糖に分解される炭水化物だと主張しています。

それらは、「マイルドドラッグ」と認識されることなく、日々、皆さんが口にしているかもしれません。しかし、「生きていけない」といわせてしまう、感じさせてしまうあやしい魅力こそ、この食材の常習性、中毒性を端的に示しているといえます。(20ページ)

前掲書では、大阪のメタボ猿について興味深いことが紹介されています。一般的な猿の体重は10kgほどなのですが、大阪のメタボ猿は20kg以上にまで太り、お腹が地面についてしまうほどの超肥満でした。

なぜ、こんなに猿が太ってしまったのでしょうか?

それは、動物園に訪れるお客さんがスナック菓子や菓子パンなどのジャンクフードを与えていたことが原因だそうです。これらの食べ物には、多くの炭水化物(糖質)が含まれています。糖質は肥満の原因となりやすいので、そればかりを食べていたら、人間でも太ってしまいます。

これらの食べ物には、さらに脂肪や塩など精製されたものがたくさん含まれています。もちろん砂糖も精製されたものです。白澤さんは、これらの精製された食べ物は、常習性が高いと指摘しています。

大阪のメタボ猿が、地面にお腹が付くほど太ってしまったのも、この常習性が理由ということです。メタボ猿は、飼育員が普段から与えているエサを食べようとはせず、来園者がオリの中に投げ入れるジャンクフードばかりを食べていたそうです。猿は、人間と違って、体に悪い食べ物だという知識がないので、美味しいと思ったものをただひたすら食べ続けていたわけですね。

これではいけないと思った飼育員は、メタボ猿の食事制限を開始し、2年後にダイエットに成功したということです。

肥満が報酬回路をダメにする

精製度の高い食べ物ほど常習性が高いというのは、メタボ猿の例から明らかです。違法ドラッグでも、純度が高くなればなるほど中毒となりやすいことから、砂糖や白米といったマイルドドラッグのように精製度が高い食べ物も依存症になりやすいといった特徴があります。

ハードドラッグもマイルドドラッグも、それが体内に入ると報酬回路が刺激され幸せな気分になります。しかし、ハードドラッグは、最初は少ない量でも幸せな気分になれたのが、常習するにつれて、少しの量では満足できなくなり、やがて量が増えていきます。これは、報酬回路に異常をきたしているから起こることだそうです。

同じように砂糖や米などの精製度の高い食べ物も報酬回路をダメにしてしまう可能性があります。肥満に陥ると報酬回路がダメになるという仮説もあるとのこと。お腹いっぱい食事をした後、「甘いものは別腹」と言って、アイスクリームやケーキを食べてしまう人は、この報酬回路がダメになっているのかもしれませんね。

ブドウ糖は本当に脳の唯一の栄養なのか?

このように砂糖や白米が常習性の高いものであることはわかりましたが、これらが体に悪いというイメージは、あまりないですよね。確かに砂糖の食べすぎは、良くないような気がするでしょうが、まったく食べないのは良くないと思っている人は多いのではないでしょうか?

でも、糖質は、実際には、まったく食べる必要のない栄養なんですね。しかし、多くの人が糖質は体にとって重要な栄養素だと誤解しているのは、あるデマが原因なのかもしれません。

それは、「脳の唯一の栄養はブドウ糖である」という誤解です。ブドウ糖が脳の唯一の栄養というのは真っ赤なウソ。確かに脳はブドウ糖を利用しますが、脂肪から作られるケトン体も利用することができます。むしろ、体内に蓄えられている脂肪の方がブドウ糖よりもはるかに多いので、ケトン体の方が主な栄養素である可能性が高いのです。

だから、砂糖や米は絶対に食べなければならない食品ではないのです。それどころか、最近では、糖質が多くの成人病の原因であることがわかり始めています。

ブドウ糖が脳の唯一の栄養素というデマが流行している背景には、企業のビジネスモデルの罠に引っかかったから流布されたのかもしれません。特に精製度の高い砂糖や白米を日常から多く食べさせるようなビジネスモデルは、消費者をマイルドドラッグの中毒にさせ、安定した売上をあげるのに理想的なビジネスモデルと言えます。

ラーメンライス、ごはんのお替り自由、大盛り無料などのサービスは、リピーター獲得のためにマイルドドラッグ中毒にさせているのかもしれません。

限られた時間内にすまさなければならない昼食に、何を食べるか熟考する時間はありません。ランチメニューは短時間に「これが食べたい」と思いつかせるかで勝負が決まるので、ビジネスモデルとしては、やっぱり常習性の高いものを提供し、それを選択してもらうという戦略が一番はびこりやすいのです。(49ページ)

昼食に決まったお店で、日替わり定食のご飯大盛りを注文している人は、すでにマイルドドラッグ中毒になっているかもしれませんよ。

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