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ウェブ1丁目図書館

読書で得ること感じること。ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。

量子力学的ジャンケン必勝法

科学

量子力学

これほどわかりにくい学問は珍しいですね。定義しろと言われても、うまく話すことができません。

コリン・ブルースの著書「量子力学の解釈問題」の訳者である和田純夫さんは、同書の訳者まえがきで、以下のように述べています。

量子論量子力学)は1920年代に構築されて以来、物理の基本法則として大きな成功を収めてきた。先端技術の基本にもなっている。しかしその使い方はわかっても、量子論が何を意味しているのか、コンセンサスができていないという状況が続いている。(5ページ)

つまり、量子力学は実用されているものの、はっきりとはわかっていないということなのでしょう。

3分の1を当てれば100万ドルプレゼント

同書で、興味深いショーが紹介されていました。

下にA、B、Cの3つの箱が用意されています。そして、その中の1つには100万ドルが入っています。それを中を見ずに当てることができれば、100万ドルはあなたのものです。

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確率は3分の1です。仮にあなたはAの箱を選んだとしましょう。

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これでAの箱を開けたのではおもしろくありません。

なので、あなたが選ばなかったBとCの箱の内、空の方を開けて、観客の皆様にもお見せします。そして、あなたにもう一度だけ、箱を選ばせてあげましょう。そのままAを選択し続けるのも良いですし、他の箱に移動しても構いません。

では、空の箱を開けます。

空箱はCです。したがって、100万ドルはAかBのどちらかの箱に入っています。あなたは、最終的にどちらを選択しますか?

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選択を変えるべきか?

さて、AかBのいずれかに100万ドルが入っていることがわかりました。この場合、2択なので確率は50%ということになりますよね。

でも、Cの箱を開けたからと言って、最初からAかBのどちらかの箱に100万ドルが入っているということに変わりありません。すなわち、この操作をした後にAかBのどちらかの箱を選んでも確率は同じなので、AからBに移動する合理的な理由はないと判断するはずです。

そう思って、Aを選択し続けると、100万ドルを得るチャンスが減ってしまいます。

しかし、これは大きな間違いである。物理的な状況は変わっていないが、貴方の無知は縮小している。そのため、貴方の選択を変えるほうが完全に合理的な行為となる。貴方が最初に選んだ左の箱にお金があるかないかについての貴方の無知の程度は変わっていない。お金が入っている確率は最初と同じで3分の1である。しかし、他の2つの箱のほうに入っていた場合、そのどちらかにお金が入っているかについての貴方の無知は消滅している。最初の選択が間違っていた確率は3分の2であり、その場合、お金は中央の箱にあることになる。選択を変えることで、勝つ確率が2倍になる。(量子システムの観測を行ったときに起こるような)宇宙についての貴方の知識の変化が、その後の観測においてあなたが得るであろう結果についての予想を変えるのである。(101ページ)

理解できました?

納得するようなしないような違和感のある解説ですよね。でも、AからBに選ぶ箱を変えた方が、貴方は100万ドルを手にする可能性は高まります。なぜ、そうなるのか、じっくりと考えてみてください。僕も、まだ納得できない部分が残っています。

負けられないジャンケン

上の3つの箱の問題を考えているとき、ふと、ジャンケンで負けない方法を思いつきました。

ジャンケンは上の箱と同じようにグー、チョキ、パーの3択です。1対1でジャンケンをした場合、勝つ確率は3分の1です。引き分けの時、勝負がつくまでジャンケンをし続けるのなら、勝率は2分の1と上がりますが、負ける確率も3分の1から2分の1に上がります。

つまり、1対1のジャンケンは勝ち負けの確率が五分五分ということですね。

でも、負ける確率をかなり低くする方法があります。

知りたいですか?

ここまで書いたのですから、答えはあなたが考えてくださいでは済みませんよね。


まず、僕とあなたがジャンケンをするとしましょう。この時、僕は、あなたに対して「グーを出す」と宣言します。

あなたは、僕の言葉を信じるなら、グーに勝つパーを出すでしょう。

でも、僕の言葉を信じなければ、あなたがパーを出すのを見越して、僕がチョキを出してくると予想するはずです。したがって、この場合、あなたはチョキに勝つグーを選ぶでしょう。

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もう、おわかりでしょう。

僕が「グーを出す」と宣言した時点で、あなたの手は、パーかグーの2択になっています。つまり、あなたが、チョキを出してくる確率は相当低くなっているのです。

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だから、僕はパーを出せば、2分の1の確率で勝つことができ、2分の1の確率で引き分けることになります。この場合、僕の負けはありません。引き分けた場合には、もう一度、出す手を宣言してジャンケンをすれば、いつか僕が勝つでしょう。

でも、この方法は、相手が合理的な判断をできなければ通用しません。僕が「グーを出す」と宣言したのにその意図がわからない相手なら、適当にチョキを出してくる危険があります。また、何度も引き分けが続いていると、次第に相手の頭の中が、こんがらがってきて、チョキを出してくる場合もあるでしょう。

なので、このジャンケン必勝法は、どうしても負けられない勝負の時に限った方が良いですね。

量子力学の解釈問題―実験が示唆する「多世界」の実在 (ブルーバックス)

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