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ウェブ1丁目図書館

読書で得ること感じること。ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。

アメリカに住まないのにドル預金をするのは危険な投資だ

日本の銀行にお金を預けても、利率が低すぎるので預金者に利点がないと考えて外貨預金をされている方もいることでしょう。

銀行に行けば、外貨預金の案内を目にする機会も多くなりましたし、そこに記載されている利率を見ると日本の銀行の定期預金よりも、かなり有利な条件となっていることがよくあります。だから、これからは外貨預金だ、そして、最も安全そうな米ドルの定期預金にしておけば損することはそうそうないだろうと思って、外貨預金を始める方もいらっしゃるはず。

でも、戦後から現在までの米ドルの変動を見ても、本当にそのように思うでしょうか?

米ドルは円に対して一貫して下がり続けている

副島国家戦略研究所主宰の副島隆彦さんは、「米ドルから逃げなさい」と著書の「お金で騙される人、騙されない人」の中で述べています。

副島さんが、このように主張する理由はいたって簡単です。戦後一貫して、米ドルが円に対して値下がりし続けているからです。

戦後、米ドルは1ドル=360円でした。それが、1971年の金とドルとの交換が停止されてブレトン・ウッズ体制が終了すると、ドルの価値が下がり始めます。その後、1ドル=300円となり、1973年2月に円が変動相場制に移行すると1ドル=260円程度まで値下がり。同年10月の第1次オイルショックで300円まで値上がりするものの、再び米ドルは値を下げ、1978年10月には1ドル=175.50円にまで値下がりました。

翌年の第2次オイルショックで再び米ドルが上昇し始め、1982年10月には1ドル=278.50円まで値上がりします。しかし、1985年2月に1ドル=263.65円だった米ドルは、プラザ合意によって円高に歯止めがかけられなくなると、一気に下落していき、80年代後半には1ドル=110円程度で推移するようになります。

そして、1993年8月に1ドル=100.40円になり、95年4月には1ドル=79.75円まで下落したのです。その後も、米ドルは、一時的に上昇することもありましたが、円に対して一貫して値下がりしていき、2007年8月のサブプライムローン問題、翌年9月のリーマンショックで値を下げ、2010年1月時点で100円を切る91円となりました。

長期的に下がり続けている米ドルに投資し続けるのは危険

このように米ドルは、一時的に値を上げることもありますが、長期的に見るとジワジワと値下がりを続けています。戦後は360円だったのに2010年以降には70円台まで暴落したことがあるのですから、米ドルに投資し続けるのは危険だということは誰だってわかるはずです。

大きな流れでは、ドルはずっと下がり続けているでしょう。どうしてこの大きな流れ(トレンド)を見て、冷静に考えることをしないのか。40年前(1970年)には1ドル=360円だった。その360円が240円台になり(1980年代)、ついには120円台になった(1990年代)。ということは、その半分の60円台になるに決まっているではないか。
(143ページ)

副島さんの言う通りではないでしょうか?

まだ、1ドル=60円台まで下落はしていませんが、そうなりそうな時期もありました。2015年1月では、日銀の金融緩和で1ドル=120円台まで米ドルが値を上げていますが、長期的な流れで見れば、これも一時的な値上げでしかないのかもしれません。

日本の銀行に外貨預金するのは手数料がかかりすぎる

このように長期的に見れば、今後も米ドルは円に対して値下がりし続ける可能性が高いと考えられます。

しかし、それでもドル預金をする人が後を絶ちません。一時的なドル高とわかっていても、瞬間的に儲けることを考える人が多いからでしょうね。

ドル預金をするかどうかは個人の自由です。どうしてもドルに投資したいというのなら、そうすれば良いでしょう。でも、日本の銀行でドル預金をするのは手数料がかかりすぎるのでやめた方がいいです。

日本の銀行でドル預金をする場合、預金するときに1ドルにつき1円の手数料がかかります。そして、ドル預金を円に交換するときにも1ドルの手数料がかかります。したがって、預け入れと引き出し合わせて1ドルにつき2円の手数料がかかるのです。

仮に1ドル=100円でドル預金をした場合、手数料は預金額の2%も取られることになります。利息が3%や4%であれば手数料を払っても得しますが、2%未満の利率では1年以内に引き出す場合、円安(ドル高)にならない限り利息が付かないのと同じです。

だから、ドル預金をするのであればアメリカの銀行に口座を開設した方が良いですし、何なら現地で住むくらいの方が為替リスクを排除できるので安全でしょう。副島さんは、現地の人々と経済発展を共有する気がある人が外貨預金をすべきだと述べています。

外貨預金をこれから買いたいと思う人は、これも金融バクチ商品の一つだと思って買うべきだ。金利がものすごく高い国があるのだから、先ほどのブラジルの例のように、その国と深い付き合いがあり、その国に何回も行く機会と必要がある人々は、その国の将来に期待して、その国に行ってそこで預金をすべきである。そしてその国の人々とともに、高度経済成長の楽しさと面白さを共有すべきだ。
(148ページ)

普段の生活で、何の関係も有していない国の通貨に投資するのは違和感があります。

それは、会ったことがない人にお金を貸すのと同じではないでしょうか?

せめて、投資する通貨を発行している国の製品やサービスくらいは利用してから外貨預金をすべきでしょうね。

お金で騙される人、騙されない人 (幻冬舎新書)

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