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ウェブ1丁目図書館

読書で得ること感じること。ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。

決断力を養うためには継続する努力をすること

仕事とビジネス

世の中には、何でもパッパッと決断する人もいれば、なかなか結論を出せずに迷う人もいます。

前者は決断力がある人という評価を受けます。一方、後者は優柔不断な人という評価を受けます。決断が早いか遅いかというのは、その人の性格による部分が大きいと考えている人が多いでしょう。僕も、そうじゃないかと思います。

でも、優柔不断と思われている人でも、ある時、瞬時に決断することがありますよね。「珍しく決断が早いな」なんて周囲から、茶化される場面を見たことがある人も多いことでしょう。

しかし、普段、決断力がないと思われている人は、本当にそうなのでしょうか?

人によって決断しやすいこととしにくいことがある。

プロ棋士羽生善治さんが、「決断力」という本を書いています。

著書の中で羽生さんは、将棋を指すうえで、一番の決め手となるのは決断力だと述べています。だから、決断力のない人が将棋を指すと、決断力のある人には勝てないのでしょうね。

ということは、将棋が強いとか弱いとかいうのは、その人の性格で全てが決まっているのでしょうか?

経験を積み重ねていくと、様々な角度から判断ができるようになる。たとえば、以前に経験したのと同じような局面に遭遇したときには、「あのときにはこう対処してうまくいった」「こういう失敗をしたから、今度はやめておこう」などと、判断材料や内容が増え、たくさんの視点から決断を下すことができるようになる。(56ページ)

羽生さんによれば、どうやら決断力は、経験によって養うことができるようですね。


確かにそうでしょう。

今まで何の経験もなく、ましてや知識もないことに対して何らかの決断を下さないといけない状況に置かれた場合、誰だって、すぐに結論を出すことはできませんよね。

例えば、パソコンを今まで購入したことがない人は、何度も買い替えをしたことがある人と比べると、機種選びに時間がかかるはずです。経験者なら必要な機能を絞り込んでパソコンを選べますが、初心者はどれが必要でどれが不必要な機能なのか、判断に迷うはずです。

経験を積むためには継続する必要がある。

では、経験を積むためにはどうすれば良いのでしょうか?

それは、特定の事柄を長く続けること、すなわち継続することです。

以前、私は、才能は一瞬のきらめきだと思っていた。しかし今は、十年とか二十年、三十年も同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。(中略)継続できる情熱をもてる人のほうが、長い目で見ると伸びるのだ。(中略)
一瞬の閃きとかきらめきのある人よりも、さほどシャープさは感じられないが同じスタンスで将棋に取り組んで確実にステップを上げていく若い人のほうが、結果として上に来ている印象がある。(170ページ)

同じ分野のことを長く続けていれば、様々な経験を積むことができます。そうすれば、日々の決断しなければならない場面で、それほど迷うことなく判断を下すことができるようになります。決断力がある人は、特定の分野のことを止めずに継続していった結果、そうなったのであり、生まれながれに決断力が備わっていたのではありません。


もちろん、大雑把な性格の人は、深く考えずに決断することがあるでしょう。そして、それがうまくいくこともあります。でも、いつも、そのような判断の下し方で成功するとは限りません。

一回勝負であれば、”奇襲作戦”が成功する確率も高いだろう。相手の虚を衝き、動揺を誘うのもいい。
しかし、同じ人と何十回と対戦していくとなると、”奇襲作戦”は意味がない。一回それでうまくいっても、次は絶対に成功しない。王道、本筋を行くことが非常に大事なのだ。(16~17ページ)

決断しなければならない場面には必ずリスクがある

経験を積むことで、決断したことがうまくいく確率は高くなります。

でも、どのような場合でも、決断をするからには、失敗するリスクが着いてくるものです。だからと言って、リスクをとらずに決断をしなければ、経験を積むことはできません。

毎日同じことをしていても新たな体験は、そこから生まれません。新たな体験が生まれないということは経験を積まないということなので、決断力を養うこともできないでしょう。だから、決断力を養うためには、リスクを背負うことが必要になります。

勝負には通らなくてはいけない道が存在すると私は思っている。リスクを前に怖じ気づかないことだ。恐れることも正直ある。相手を恐れると、いろいろな理由をつけて逃げたくなる。怖いから腰が引けてしまう。しかし、勝負する以上、必ずどこかでそういう場面に向き合い、決断を迫られることになる。私は、そういうときには、「あとはなるようになれ」という意識で指している。どんな場面でも、今の自分をさらけ出すことが大事なのだ。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」だ。(70~71ページ)

棋士として、数々の経験を積み、結果を残してきている羽生さんでも、勝負の場面では、リスクを負って勝ちに行ってるんですね。


「それなら、自分だってリスクを負って決断していくぞ」


と思ってしまいそうですが、羽生さんがリスクを負えるのは、将棋の世界で数々の経験を積んできているからなのではないでしょうか?わざわざリスクを負わなくても、他に勝つ手段があれば、それを選択するはずです。

経験がない人が、リスクを負うというのは、言い方を変えれば、無思慮ということではないでしょうか?羽生さんはリスクをとるべきだと語っていますが、それは無思慮に行動しろと言っているのではありません。

先入観を捨てることで様々なことを経験できる。

リスクを負うこととも関連しますが、羽生さんは、先入観を捨てることも大事だと述べています。

今まで常識だとされていたことを疑わず鵜呑みにしていたのでは、新しい考えは出てきません。もしかしたら、今までの常識は間違っていたのではないかと、先入観を捨てて疑うことで、新発見はあるものです。

先入観や思い込みを持っていると、「違う手もあるのではないか」「ゼロに近いことに挑戦しよう」という考えは思い浮かばない。新しい考えを試み、理解していこうという気持ちも起こらない。私は、「こんなのはあり得ない」と思うのではなくて、理解していこう、吸収していこう、試してみようという気持ちや姿勢を、これから自分自身でも大事にしていかなくてはいけない、と強く思っている。(81ページ)

新しいことに挑戦することで経験を積むことができます。そうすれば、次に同じ場面に出くわした時には、以前よりも良い判断を下すことができるはずです。先入観を捨てることで、決断力を磨けるんですね。

そのためには、常に新しいことに挑戦していこうとすること、すなわち、一瞬の閃きよりも、継続する努力を重んじることが大事なのではないでしょうか?

決断力 (角川oneテーマ21)

決断力 (角川oneテーマ21)

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