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ウェブ1丁目図書館

読書で得ること感じること。ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。

住宅ローンは全期間固定金利型が基本だが短期のローンなら変動金利もあり

日本では、マイホームを購入する場合、住宅ローンを組むことが当たり前となっています。それも35年ローンのような長期の住宅ローンを。

この時点で何かがおかしいと思うべきなのですが、マイホームが欲しいと思っている人は、家が持てるということに夢中なので、長期の住宅ローンを組むことに違和感を感じないことが多いようです。しかも、目先の金利の安さから変動金利で借り入れてしまい、後になってローンの返済に苦しむ人もたくさんいます。

そうならないようにするためには、少々金利が高くても全期間固定金利型の住宅ローンを組まなければなりません。

最も安全性が高いのが全期間固定金利

住宅ローン金利は、全期間固定金利型、変動金利型、固定期間選択型の3つに分類することができます。

住宅・不動産に詳しい山下和之さんの著書「住宅ローンが危ない」によると、この中で最も安全性が高いのが全期間固定金利型ということです。

全期間固定金利型はその名称からも分かるように、当初の金利が完済まで変わらないもので、金利が変わらないのだから返済額の変化もない。金利、返済額がまったく変わらないため、計画を立てやすく、安全性も高い。当初の返済計画に問題がなければ、将来的に収入が上がっていくとやがて返済負担はしだいに軽くなっていく。
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若い時は給料が少ないですから、20代後半から30代前半で35年の住宅ローンを組み、数年間、無理なく返済できていれば、その後は給料の伸びが期待できるので、40代、50代になった時の住宅ローンの返済が軽く感じるはずです。

だから、長期の住宅ローンを組むのであれば、返済期間中、金利が変わらない全期間固定金利型を選ぶべきなのです。

しかし、全期間固定金利型は、ローン期間中の金利の変動リスクを金融機関が負担することになるので、そのリスク分だけ変動金利よりも利率が高く設定されるといったデメリットがあります。とは言え、将来的にどれだけ金利が上昇するのか、一般人には予測できないので、多少金利が高くても全期間固定金利型の住宅ローンを組んでおいた方が無難です。

固定期間選択型にだまされるな

固定金利型と似て非なるものに固定期間選択型があります。

固定期間選択型は、2年から20年までの特約期間中の金利が固定されている住宅ローンです。一見固定金利のように思えますが、特約期間が終了すると変動金利に切り替わるので固定金利とは言えません。また、特約期間が過ぎた後も再度固定期間選択型を利用できますが、その場合には、金融機関にその旨を申し出て一定の手数料を支払う必要があります。

結局、固定期間選択型は変動金利住宅ローンを組んだのとほとんど同じなので、ローン期間中は金利が上昇するかもしれないといった不安を抱え続けることになります。

それどころか、固定期間選択型の場合、変動金利とは異なり25%ルールが適用されないといった難点があります。

25%ルールとは、金利が上がって返済額が増額になる場合でも、増額幅を25%に抑えるものです。例えば、これまで月々10万円の返済であったのが、変動金利の見直しにより15万円に返済額が上がったとしても、25%増までに抑えれるので、返済額は12万5千円になります。

この25%ルールが適用されない固定期間選択型は、予想外の金利上昇リスクを債務者が負うことになるので、返済が行き詰まる危険が高くなります。

金融機関が、住宅ローン金利2.3%のところ、最初の2年間は1.0%に金利を優遇するといったキャンペーンを実施することがありますが、これは固定期間選択型で住宅ローンを組まされることなので、注意しなければなりません。

金利上昇におびえるのはローン期間が長いから

そもそも住宅ローンを組んで、将来的に金利が上がったらどうしようとおびえる原因は、返済期間を20年や30年といった長期にするからです。10年以内の住宅ローンであれば、少々の金利の変動くらい大したことではありません。

だから、ローン期間を短くすることで、利息の負担が最も軽い変動金利での借り入れを選択することもできるのです。

変動金利型は市中の金利動向によって適用金利が変わり、返済額も変化するローンである。金融機関からみれば調達金利と融資金利の利ざやを一定に保つことができるので、最も安心して貸せるローンということができる。
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例えば、銀行が利率1%の定期預金を販売して集めた資金を利率2%で住宅ローンとして貸し出せば、差額1%分が銀行の利益となります。定期預金金利が変動して2%になったとしても、住宅ローン金利を3%にすれば差額1%分の利益を確保できます。

つまり、変動金利は常に銀行が利益を得ることができるので、銀行から見ると金利変動リスクがないわけです。反対に債務者は金利変動リスクを負うことになります。でも、債務者は金利変動リスクを負担する分だけ、低い利率で住宅ローンを組めます。これが債務者側の変動金利の利点です。

しかし、変動金利での住宅ローンは5年ごとに見直しが行われるので、6年目に利率が上昇していた場合、最初の5年間よりも多くの利息を負担しなければなりません。

これが変動リスクでの借り入れのリスクなのですが、ローン期間が5年であれば金利変動リスクを負わないので、実質的に全期間固定金利型と同じです。しかも、固定金利よりも変動金利の方が利率が低いので、返済額を少なくできる利点もあります。

変動金利で10年の住宅ローンを組んでも、金利が上がるリスクは6年目の1回だけなのですから、それほどリスクは大きくないでしょう。したがって、住宅ローンを組むなら短期の変動金利が最も有利と言えます。

1割や2割の頭金でマイホームを買うな

でも、ローン期間が短期になれば、それだけ毎月の返済額が多くなります。毎月の給料の半分以上が返済に回るようなローンを組むのは、生活が破たんしてしまうのでできません。

だから、長期の住宅ローンを組むわけです。でも、長期のローンを組まなくても、頭金をしっかりと用意しておけば、毎月の返済額を増やさずに短期のローンを組めます。

そもそもマイホームを購入するのに物件価格の1割や2割程度の自己資金しか用意しないということが問題なのです。5割、6割くらいの自己資金を用意してローンを組めば10年以内の短期の返済期間にすることは可能です。それなのにマイホームが今すぐ欲しいという欲求に負けて、若い時に35年ローンなんて組むから、四六時中、ローンの返済のことが気になってしまうのです。

「家賃並みの負担でマイホームが手に入る」

このような業者の甘い言葉を鵜呑みにして長期の住宅ローンを組んだ人は少なくないはずです。中には自己破産してマイホームを手放した人もいることでしょう。


1割の頭金で35年ローンを組む。

冷静に考えれば、このような手段で数千万円の買い物をするのはおかしいと気付くはずなのですが。

住宅ローンが危ない (平凡社新書)

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