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ウェブ1丁目図書館

読書で得ること感じること。ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。

名経営者の金言を読んで絶望を感じる

テレビ東京系列で放送している「カンブリア宮殿」では、作家の村上龍さんと企業の経営者の方が対談しています。僕は、この番組が好きでよく見ています。

過去に出演された経営者の方との対談内容は、書籍にもなっており、そのシリーズには社長の金言だけを集めた「カンブリア宮殿 村上龍×経済人 社長の金言」といったものがあります。

龍さんは、事前にゲストの資料を読んでいると、いつも絶望に似た感慨を持つのだそうです。成功するためには、とんでもない努力が必要だからです。だから、社長の金言を読んで何かを感じたら、その言葉が生まれた長い経緯をイメージし、そして、そんな努力を払えない自分に絶望して欲しいと冒頭で述べています。

やる気がない従業員がいるのは経営者の責任

人間の能力には大きく分けてIQとEQがあると述べているのが、日本電産永守重信さん。IQというのは頭がいいということで、EQというのはやる気ということです。

永守さんは、IQが低いことよりもEQが低いことの方が問題だと考えています。どんなに注意しても、怠けたり、休んだり、遅刻したりする従業員に対しては、「君はもういらない」というそうですが、IQが低いからといって従業員をやめさせることはないそうです。

そして、怠けたりやる気がない従業員というのは、何かはっきりとした理由があり、その8割が経営者に原因があると述べています。だから、本来辞めなければならないのは、やる気がない従業員ではなく、経営者なのだと主張しています。

他社に負けてもいいところを最初に決める

コマツ会長の坂根正弘さんは、お客さんの意見を聞いて他社に負けているところを少しずつ改善するマーケットインの考え方では、すぐに他社に追いつかれてしまうから、まずは他社に負けてもいい部分を先に決めて、次に絶対に譲れない部分を決めるべきだと述べています。

そうすれば、他社が3年から5年は追いつけないダントツ商品を生み出すことができるということです。弱点の克服よりも強みを活かすということですね。

接待なしの営業力

営業につきものなのが接待ですが、これを一切しないのがキーエンス。社長の佐々木道夫さんは、業種によっては、接待によるコミュニケーションが有効な手段となりますが、キーエンスにとっては、製造業の技術者の方から製品そのものに付加価値を認めてもらうことが主になるので必要ないとのこと。

当たり前に思えることですが、取引先に自社製品の魅力を伝えるのは難しいですよね。

中央集権ではなく地元に決めてもらう

コンビニ大手のローソンの新浪剛史さんは、東京でやっていることを地方でやっても評価してくれないと述べています。新浪さん曰く、東京は異常なマーケットだそうです。

年齢が上がれば上がるほど地域性が重要となり、東京で見ていてもわからないから、地域性がとても重要になります。だから、地元に決定権を与えているとのこと。

便利なものよりも必要なもの

三鷹光器会長の中村義一さんは、便利なものよりも必要なものが大事と述べています。

便利というのは、要するにものぐさになればいいということですから。必要というのは、例えば医療機器の場合、「助けてください」と言っている人を助けてあげれば、その人は感謝してくれる。そこで「嫌だよ」と言ったら、やはり心が痛むでしょう。商売でもそういう必要なもののほうがいいわけです。(122ページ)

動きながら考える

失敗ばかりの人生を歩んできたとおっしゃるのは、ヨシダグループ会長の吉田潤喜さん。ゴルフ場経営に失敗した時は、ピストルを頭に当てて自殺も考えたとおっしゃっています。

吉田さんは、まず動くことが大切だと述べています。そして、動きながら考えるのだそうです。

アメリカではよく言うのですが、まずバスを動かす。動かしてからガソリンスタンドを見つけなさい、と。ガソリンをどこで給油してなどど計算していたら、もう誰かがバスを動かしているんですよ。(182ページ)

代わりのきく仕事は日本に残らない

うちのキャッチフレーズは、オンリーワンになるか、ナンバーワンになる。単純なことでも世界で一番になる。(249ページ)

こう述べているのは、堀場製作所最高顧問の堀場雅夫さんです。

堀場さんは、代わりのきく仕事は日本に残らなくなると主張しています。そして、日本に残るのは、余人に代えがたい仕事、つまり自分にしかできない仕事だとのこと。とは言え、人の絶対的能力にはそんなに差はありません。でも、仕事を自分の得意な分野に引き込んだ人はとても良い結果を出します。

オンリーワンやナンバーワンになれる人は、自分の仕事を自分のホームグラウンドに持ってくる努力をしている人なんだということです。


どの経営者の方の述べていることも、非常にためになることばかりですね。でも、その金言の背景には、やはり、普通ではない努力があったのでしょう。文章で読むと、あっさりしていますが、その結論にたどり着くまでには、とても長く辛い時期があったのではないでしょうか。

それを想像してみると、龍さんがおっしゃるように絶望を感じてしまいます。

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