ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
これは鴨長明の方丈記の始まりです。流れる川は同じように見えても、水は一箇所にとどまっていないので同じような流れであっても、元の水がそこにとどまっているわけではありません。
方丈記の始まりの部分は、川だけに当てはまるのではなく人間社会の移り変わりにも当てはまります。そして、人間社会を構成している個人にも当てはまり、さらに言えば生けるものすべて、すなわち生命にも当てはまります。
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