ウェブ1丁目図書館

ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。なお、当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。

経済

SDGsは企業活動を制約するものではない

SDGs(エスディージーズ)という言葉をよく聞くようになりました。また、サステナビリティという言葉も同時に普及してきました。SDGsは、日本語に訳すと「持続可能な開発目標」となります。そして、サステナビリティは、持続可能性と訳され、SDGsの「S(Sust…

資本は利子率が高いところを目指す

事業に必要な元手のことを資本といいます。資本は、事業主が用意することもありますが、株式会社の場合は、事業主以外の人々によって提供されます。その資本の提供者のことを株式会社では、株主といいます。法人格を持つ株式会社の発明は、資本主義の発展に…

核よりカネの抑止力

資本主義は、多くの富を創造します。一方で、資本主義は格差を拡大します。この格差を拡大するという資本主義の性質から、戦争、環境破壊、労働条件の低下、福祉の破壊、貧困なども、行き過ぎた資本主義がもたらす弊害だと言われることがあります。しかし、…

人の道に外れた行為で多くの財産を手にできるか

18世紀のイギリスの経済学であるアダム・スミスと言えば、「見えざる手」が有名です。人々が個人の利益を追求しても、自然と調整され社会全体が幸福になるという理屈が、「見えざる手」です。この「見えざる手」がとても有名なので、アダム・スミスについて…

円安一辺倒の為替介入で肥大化していく外為特会は運用に成功しても使えないお金

2013年6月に安倍内閣は、今後10年間の平均で名目GDP成長率3%程度、実質GDP成長率2%程度の成長を実現することを宣言しました。また、日銀も2年程度の期間を念頭に早期にインフレ率を年率2%に引き上げると宣言しました。もう遠い昔のように思え、「そんなこと…

行動経済学を知る人が増えれば研究結果と現実が乖離するだろう

人間には心があります。心は感情だったり、理性だったり、本能だったりします。そして、人により、心の在り方は異なります。だから、同じ状況に遭遇しても、人により採るべき行動は異なって当然です。ところが、古典的な経済学では、人間は、自分の利益を最…

中小企業は市場ニーズの把握と外部技術の調達でニッチな分野でシェアを獲得する

日本経済を支えているのは、中小企業だと言われています。中小企業基本法によれば、資本金3億円以下、あるいは従業員数300人以下を中小企業としています。他にも、上場会社を大企業とし、その他を中小企業とする分類などがありますが、中小企業の範囲が広す…

中小企業の事業承継を阻むもの

事業は生まれては消え、消えては生まれるもの。戦後、日本では多くの事業が生まれ、起業数が廃業数を上回る状況が長年続いていました。しかし、近年は、その傾向が逆転し、廃業数が企業数を上回る状況になっています。特に中小企業の廃業が増えており、これ…

誰かの借金は誰かの資産であり、誰かの支出は誰かの収入である。

世の中には、常に表と裏があるもの。それは、経済の世界でも同じことです。誰かが借金をすることは誰かの資産が増えることであり、誰かが支出することは誰かの収入を生み出すことになります。自分がお金持ちになれば、誰かが借金をしています。自分が借金を…

競争社会は人々の互恵性や利他性を養う

競争が社会にとって必要なことかどうかは、常に議論になっています。競争には、必ず勝者と敗者が出ます。そして、勝者が富み、敗者が貧するのであれば、競争社会は経済格差を生み出すと考えられます。それなら、競争がない社会にすれば、経済格差は生じず、…

現金が現代人の心理に与える力

「メーカー希望小売価格から3割引き!」スーパーやデパートにこんなポップが貼られていると、つい買ってしまうのが人の性。例えば、その商品が3割引きされて1,400円だったとします。もしも、「3割引き」というポップがなかったとしても、「この商品が1,400円…

不合理な選択をするから人間味がある

AランチとBランチのどちらがコスパが良いか。 今吸うこの1本のタバコから得られるリラックスと将来の健康不安を天秤にかけた場合、タバコを吸うべきか。人生には大きな選択を迫られることもありますが、日々、このような小さな選択をしなければならない場面…

固定相場制の方が海外旅行が便利になるんだけど

現代の通貨制度には、固定相場制と変動相場制があります。先進国では変動相場制が採用されていますが、途上国のように固定相場制が採用されている国もあります。固定相場制は、通貨と通貨が交換されても、為替レートが変動しない通貨制度です。1ドル=360円と…

最終レースは人気馬を買うのが吉

競馬は、1日に12レース行われます。11レースまで順調に馬券を当てた人は、12レースの馬券を買わずに帰宅することもあります。でも、11レースが終わった時点で損をしている人は、最終12レースで損を取り返そうと考えます。損を取り返せるチャンスがあるのなら…

日本の資本主義の背景にある宗教観

資本主義は、経済を加速的に発展させてきました。特に株式会社制度は、個人から少額の資金を集め大きな資本とすることで大規模な事業を行え、個人が信用力だけで銀行からお金を借りて事業を始めるよりも、成功へのスピードも成功した時の見返りも圧倒的に大…

戦後の日本経済の成長に人口はどう関係したか

少子高齢化。現代日本が抱える深刻な問題とされているのがこれです。少子高齢化がこのまま進めば、22世紀には日本の人口は5千万人を割り込むと言われています。そして、現在の日本の人口が半分以下となることから、経済にも大きな打撃を与えるに違いないと考…

金融化した経済は社会に何をもたらすのか

金融とは、文字通りお金を融通することです。修行して一人前の料理人になったけど、お店を出すための資金がない。そんな時には、銀行から資金を借りれば、早期にお店を持てます。借金は、毎月の売上の一部で返済すれば良いので、料理人としての腕を活かしな…

世の中は後知恵バイアスだらけ

良かれと思ってしたことが逆効果だった。そんな時、「やっぱり最初から上手くいくわけないと思ってたんだよ」と言ってしまうことがありませんか。その気持ちよくわかります。「最初から上手くいくわけないと思ってたのなら、やらなければ良かったのに」と責…

リテラシーは感情を制御できるか

最近、リテラシーという言葉をネット上で目にする機会が多くなりました。科学リテラシー、金融リテラシーなど。リテラシーとは何ぞや。一般的に解釈されているのは、ある分野の正しい知識を持っており、その知識を場面に応じて活用したり応用したりできる能…

身近な疑問や噂話の真偽は行動経済学で確かめられる

経済学に持つイメージは、どのようなものでしょうか。あんなものは机上の空論で現実世界と乖離した理屈だと思う人もいれば、しっかりと勉強すれば、将来、どのように株価が動くかを予測できる学問と捉える人もいることでしょう。あと、やたらと数字が出てき…

行動経済学で偏見と差別を考えてみる

現代のような貨幣経済が発達した社会では、経済学が重要な学問となっています。経済学では、複雑な数式が出てきたり、非現実的な前提をもとにしてモデルが組み立てられたりするので、取っつきにくいイメージがあります。しかし、最近では、人の心を分析する…

因果関係を確認するためにはRCTが有効だが、実施できるかどうかは別問題

喫煙すると死亡率が高まるというデータを見せられると、タバコが肺がんなどの病気と関わっているんだなあと思ってしまいます。1日の喫煙本数が増えるほど、肺がんにかかる確率が高くなるグラフを示されれば、もう、その時点でタバコが肺がんの原因だと決めつ…

市場競争が格差を作るとしてもセーフティネットの構築には市場競争が必要

21世紀に入ってから、格差問題が頻繁に議論されるようになっています。裕福な人と貧乏な人の二極化が起こっていると指摘する識者がメディアに登場する機会が多くなっているので、日本社会が20世紀後半との比較で格差社会となっているのは事実なのでしょう。…

戦後の好景気は設備投資がけん引した

消費が拡大すると景気が良くなる。よく言われることです。これは、反対に言うと景気が悪い原因は消費が少ないからだとなります。この考え方から、昨今の景気対策では、いかに消費を増やすかに焦点を当てることが多いですね。でも、本当に消費拡大が好景気に…

貯蓄率が高いほど長期的に消費が拡大する

90年代のバブル経済崩壊以降、日本経済は不景気となり、その状況は今も続いています。景気が悪くなる要因は様々ありますが、メディアで頻繁に指摘されているのは消費の落ち込みです。家計消費が上向けば、世の中の金回りが良くなるので、それにしたがって景…

インターネットがもたらす民主化と公正性

20世紀末から爆発的に世界中に普及したインターネット。21世紀の現在では、インターネットなしで成り立つ仕事は少なくなり、どの企業もほとんど選択の余地なく職場の業務にインターネットを活用しなければならなくなっています。当然、インターネットは企業…

人口増加がもたらす経済への悪影響

我が国の近代以降の経済発展は、人口増加に依存する部分が大きかったとされています。そのため、今日の不景気は人口増加率が鈍化したことが原因だと言われています。確かに子供がたくさん生まれて、人口分布がピラミッド型になっている方が、消費を拡大でき…

資本主義の経験なくして社会主義は誕生しない

現代の国際経済は資本主義が先導しています。かつて、大きな資本主義国と並ぶソ連や中国といった社会主義国がありましたが、いずれも資本主義国に移行しつつあります。いや、表面上は社会主義と言っていても、実質的にはすでに資本主義に移行しきっているよ…

家計消費が経済を支えている。しかし、家計所得の増加だけが幸福をもたらすのではない。

日本経済が低成長時代に突入してから長い年月が経過しています。経済の低成長は悪だと言われていますが、低成長は高度に経済が発展した後に必ず訪れるのですから、現在の日本は他の国々と比較して暮らしやすい国になっているとも考えられます。しかし、それ…

金融の発展が貧困を防ぐ。自由競争は格差拡大をもたらさない。

貨幣経済が発達した現代では、金融が重要になっています。独立してレストランを開業する場合でも、工場が新製品の製造のために設備投資する場合でも、多額の資金が必要になります。その資金を融通する仕組みが金融です。銀行がお金を貸すのも金融ですし、企…